~未来と過去~自分の未来さえよければいいやと、勝手に修正するのはエゴだと思わない? そのしわ寄せは誰かに来る。必ずね。
昭成六十四年、ある田舎町で暮らしている双子の姉妹の華子と未來は二人の思いがリンクしたその時、見たいと思った人の過去と未来を見ることができる不思議な能力を持っています。
未來はその能力を使って人々の役に立ちたいと思っていますが、一転姉の華子はかたくななまでに否定的です。
そんな折、華子が思いを寄せている幼馴染のおじいちゃんが「あるもの」を見つけるために東奔西走していることを知り、未來は役に立ちたいと思い立って、いやがる華子を伴いおじいちゃんの過去と未来を覗くのですが……。
殺戮、強奪、裏切り、絶望……戦争体験者であるおじいちゃんの悲惨な過去、吐き気をもよおし目をそむけたくなるそんな現実から未来へと導いた「あるもの」の正体とは!?
登場人物紹介&ピックアップ
2017/06/21 21:00
未來と華子
2017/06/21 21:00
華子が未來を許せないわけ。未來が華子を好きなわけ。けっして噛み合わないおんなじ二人
2017/06/23 21:00
好きで汚れているんじゃないよ! たまたま汚れと相性がいいだけなんだってば!
2017/06/24 21:00
「なんであいつを轢き殺さなかったんだ!!」「なんでもなにもブレーキかけたのあんたでしょうが」
2017/06/26 21:00
未來の風俗営業。パンチラジャンケン勝負!
2017/06/28 21:00
ジュースはストローでブクブクすると、アミノ酸がブレンドされて旨くなる
2017/06/30 21:00
「未來イヤーは地獄耳」。未來と華子のチカラの秘密
2017/07/01 21:00
素直じゃないことが素な自分が嫌になる。調べ物はなんですか? 手伝えることはありますか? けど……『私邪魔じゃありませんか?』
2017/07/03 21:00
「老人と子供とでは時間の流れる速度や濃度が違うから」。戦争体験者と現代人との違い
2017/07/05 21:00
人はどんな状況でも笑えるもの。それが戦場であったとしても
2017/07/07 21:00
ん~どうしたあたし? 言いたいことをズバッと言えないのはらしくないなぁ
2017/07/08 21:00
実はあの時、田中君が落ちること知っていたんだ、私。助けようと思えば助けることもできたでしょうね。でも助けなかった。それがなぜだかわかる?
2017/07/12 21:00
自分の小さな幸せを守るために、もしかしたら他の人には大きな不幸が訪れることになるかもしれない。それを見ぬふりして自分さえよければOKとする感覚、あなたはどう考えるのかしら?
2017/07/14 21:00
正しさってなに? 正解はどれ? 誰か教えて
2017/07/15 21:00
華子、鍛錬の結果って目に見ることばかりに使われるわけじゃないんだよ
2017/07/17 21:00
おじいちゃんが病気に。けど、それを知ったショックよりもそのことを一番に私に教えてくれなかったことの嫉妬のほうが勝る私って……
2017/07/19 21:00
この距離から対象物を確認できるなんて、お前はマサイ族かよ……
2017/07/21 21:00
物忘れとかしたときにさ、時間を巻き戻すつもりでその記憶のスタート地点に戻ったりすることってないかな?
2017/07/22 21:00
「ボケてるだけかもしれないじゃん。ジジィの戯言にそんな真剣になるなって」 「お前、その戯言のために私を巻き込んだのかよ……」
2017/07/26 21:00
「この儀式は中学生からだ!」 「自信満々に馬鹿ぬかすな! お前のやっていることは全年齢対象で犯罪になるんだよ!」
2017/07/28 21:00
自問自答するも結局は自分もその一員なのだ。 自己弁護も甚だしく、そんなことを考えるほうが偽善な気もする。
2017/07/29 21:00
「あっ、そうか! わかった、万引きだよ万引き!」「このアホンダラ! それが一番最悪だろうが!」
2017/08/02 21:00
窮地に陥るのは敵の強さ以上に使えない仲間に原因がある。 味方にこそ敵あり。
2017/08/04 21:00
瞬間的に上げ、消えるだけの悲鳴とはわけが違う。 理解のできない言葉は時間とともに耳から消えていくが、意味を理解したものは記憶に残る。 生涯忘れられぬこととして、生き続けるのだ。 僕の中の一部として。
2017/08/05 21:00
崖から落ちた……と思ったら隠れて落ちたふりしていたのだ。 生きていやがった。 「ちっ」「華子! お前今舌打ちしなかったか!」「気のせいでしょ」本当に落ちればよかったのに。
2017/08/09 21:00
対象となるものは反対意見が際立つほどに研ぎ澄まされて鋭利になり、深く刺さり込んでくる。その痛みと異物感は誰もが無視できないもの。意義がどうあれもうすでに放っておくことはできない。
2017/08/12 21:00
よく精子が出るんだよなドクドクとよぉ。ひひ。ありゃ戦争前では考えられないぐらいの量だぜ。危険な状況がもたらす男の生理現象なのかもな。
2017/08/16 21:00
努力は簡単に裏切るよ。最初は多くの人が成功するから殺到する。けど、努力を積み重ねるほどにどんどんその道は狭まっていき振るいにかけて脱落者を量産していく。そうやって欺くんだな
2017/08/18 21:00
生き死の瀬戸際において神や仏にすがる言葉を口にできるのはまだまだ余裕がある証拠だ。肉体とカンだけが動力となる。生きることへの大胆さと臆病さが問われる野生としての純度がものを言うのだ
2017/08/23 21:00
だって運命だのなんだの言っているんだからまともなわけないし。まともじゃないんだから異常なくらいでちょうどいいんじゃね? 友達どころか、鬼が出るか蛇が出るか? もしかして神様なんか出てきたりしてな!
2017/08/26 21:00
あたしたちの能力、全部見えないってのがミソだよな。お前はその断片のシビアな現実を見て打ちのめされ、悲観し、隠れているところを確かめるのが怖くて逃げてしまう。それって保身のための言い訳じゃないのか?
2017/08/30 21:00
恐怖だって? 嘘だろ? これってワクワク&ドキドキだろうが? 普通の生活では体験できないものがそこにはあるのかもしれないんだぞ? それにときめかないで一体なにに興奮するっていうんだよ?
2017/09/01 21:00
「行こう」そう言うと未來は私の手を握って歩き始めた。未來は自分が怖いというのもあるのかもしれないけれど、それ以上に私を落ち着かせ安心させるために手を握ったような気がする。
2017/09/02 21:00
「ぼくもかえ~ろおうちへかえろぉ~」「だから!」「今度はなんだよ?」「あのな! 帰ることを想起させるようなのはやめてよ!」「ホント細かいやつ! い~っぽすすんで、にっほさっがるぅ~」
2017/09/06 21:00
清潔でいて、汚れのない。 汚れようのない。 すべてを飲み込む。 黒。 闇。 とても危険な清潔感、惑わされてはいけない美しさ。
2017/09/08 21:00
貴様らが腰に携えているピストルとやらでは、目の前の相手を倒すにとどまり、その場限りの出来事で終わることがほとんどだろう。しかし、言葉による殺傷はその限りではない。広がり、そして深まる
2017/09/16 21:00
せいぜい感謝しておけ。貴様らがいま生きてこやつをさげすむことができるのは雑魚と見下しているこやつのおかげなのだからな。
2017/09/20 21:00
もし否定するのであれば、それはあたしらがあたしら自身の存在をも否定するのと同じこと。だからさ、これは全然ありなんだ。そう、信じなきゃいけないんだよ、このファンタジーを。ありのままに
2017/09/22 21:00
「そうか。貴様らの感触、懐かしさを覚えたんでな」「あの、以前私たちと同じ能力を持つ人と会ったことがあるんですか?」「いや、ないな」「こらこら! ここはボケるところじゃねぇぞ!」
2017/10/04 21:00
食卓テーブルの上には昨日の晩御飯であるすき焼きの用意がされたままの状態だった。 お茶碗も伏せられたままだ。 『あったんだ、鉄の掟』
2017/10/14 21:00
おじいちゃんは惨殺ともいえる状態でありながら、その表情は不思議なほど安らかだったという。
2017/10/18 21:00
「未來のおっぱいちいせぇ~!」「うるせーぞ! そういうことはチンチン硬くなる年齢になってから言え!」
2017/10/20 21:00