満ちるころ
最終エピソード掲載日:2026/07/07
ある朝、水瀬灯は布団から起き上がれなくなった。広告の仕事は嫌いじゃなかった。むしろ好きだったはずなのに、いつからか、言葉を書く理由が分からなくなっていた。
逃げるように帰った港町。祖父の営む「朝倉活版印刷所」では、無口な職人・湊が、鉛の活字を一字ずつ拾い、組み、紙に刷っている。
朝顔の花札、一枚だけの手紙、三十年前に届かなかった名前。持ち込まれる小さな依頼をひとつずつ刷るうちに、灯はゆっくりと、自分の言葉を取り戻していく。
潮の満ち引きのある川。満ちるのを待って港を出る船。そして、満ちるころに帰ってくるもの。
静かな港町と活版印刷所を舞台に、消えていくものと、残るものを描く物語。
——残すのは、言葉か。それとも、誰かを想った時間だろうか。
逃げるように帰った港町。祖父の営む「朝倉活版印刷所」では、無口な職人・湊が、鉛の活字を一字ずつ拾い、組み、紙に刷っている。
朝顔の花札、一枚だけの手紙、三十年前に届かなかった名前。持ち込まれる小さな依頼をひとつずつ刷るうちに、灯はゆっくりと、自分の言葉を取り戻していく。
潮の満ち引きのある川。満ちるのを待って港を出る船。そして、満ちるころに帰ってくるもの。
静かな港町と活版印刷所を舞台に、消えていくものと、残るものを描く物語。
——残すのは、言葉か。それとも、誰かを想った時間だろうか。
第1章 朝倉活版印刷所
第1話 白い天井
2026/07/01 13:38
第2話 紙とインクの匂い
2026/07/01 21:23
第3話 文字の重さ
2026/07/01 21:24
第4話 風待ち
2026/07/01 21:25
第5話 組版
2026/07/01 21:26
第6話 出帆
2026/07/01 21:26
第7話 花言葉
2026/07/01 21:27
第8話 余白
2026/07/01 23:13
第9話 電話室
2026/07/02 11:54
第10話 名刺
2026/07/02 11:56
第11話 校歌
2026/07/02 11:56
第12話 川底
2026/07/02 20:16
第13話 財産目録
2026/07/03 16:43
第14話 活版の話
2026/07/03 16:43
第15話 雨の日
2026/07/03 18:37
第16話 ひと夏
2026/07/03 18:37
第17話 また書きます
2026/07/03 18:38
第18話 メール
2026/07/03 22:37
第19話 継承
2026/07/03 22:37
第20話 依頼書
2026/07/03 22:37
第21話 残る三文字
2026/07/03 22:37
第22話 引き潮
2026/07/04 18:35
第23話 影
2026/07/04 18:38
第24話 川
2026/07/04 18:38
第25話 カフェオレ
2026/07/04 18:38
第26話 餞
2026/07/04 18:38
第27話 東京
2026/07/04 18:38
第28話 朝顔
2026/07/04 18:38
第29話 潮待ち
2026/07/06 00:26
第30話 ノート
2026/07/06 00:28
第31話 船舶日記
2026/07/07 16:46
第32話 蛍
2026/07/07 16:46
第33話 和綴じ
2026/07/07 16:46
第34話 一文の依頼
2026/07/07 16:46
第35話 コーヒー
2026/07/07 16:46
第36話 雨宿り
2026/07/07 16:46
第37話 船
2026/07/07 23:45
第38話 不信
2026/07/07 23:45
第39話 綴じる
2026/07/07 23:45
第40話 帰帆
2026/07/07 23:45