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屠神録 ―白灰の領

作者:卓哉
最終エピソード掲載日:2026/09/20
 神々はすでに死んでいる。

 その死骸を喰った者は聖種となり、土地を領有して、年に一度、領民から一人を受け取る。

 白灰の領の中央には、白い塔が立っている。
 領民は「お灰さま」と呼ぶ。塔は毎年、膝ひとつぶん伸びる。それが今年もお受けくださった証だと、誰もが言う。何人ぶんの高さになったのかは、誰も数えていない。

 妹を塔に差し出された娘・霙は、領に入ってきた余所者に縋る。
 聖種の血を体内に飼う狩人、鴉。刀を持ち、痛みを感じず、報酬を受け取らない女。

「妹を、取り戻していただけませんか」
「塔には入る」
「……それは」
「それだけだ」

 鴉は塔の高さを測りはじめる。四百二十歩の影と、自分の膝の高さから。

 出た数は、領の言い伝えより百多かった。
第一話 灰の境
2026/08/16 23:25
第四話 裂け目
2026/08/16 23:29
第五話 石の列
2026/08/16 23:30
第六話 余所の女
2026/08/17 21:00 (改)
第八話 数える
2026/08/19 21:00
第九話 百の差
2026/08/20 21:00
第十話 七つの名
2026/08/21 21:00 (改)
第十二話 四百と三百
2026/08/23 21:00 (改)
第十七話 温かいもの
2026/08/28 21:00 (改)
第十八話 聞こえる日
2026/08/29 21:00 (改)
第十九話 殺さないで
2026/08/30 21:00 (改)
第二十二話 わたしの番
2026/09/02 21:00 (改)
第四十話 十六
2026/09/20 21:00
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