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捨て子山で拾った七人の忌子を育てたら、世界の常識を知らない娘たちに育ちました ~父さんの教えしか知らないので、巣立った先でもだいたい力ずくです~

作者:てへろっぱ
最新エピソード掲載日:2026/08/24
人里から遠く離れた山には、昔から一つの嫌な習わしがあった。

生まれが不吉だから。
魔力を持たないから。
一族とは違う姿で生まれたから。
役に立たないと決めつけられたから。

そんな理由で居場所を失った子供たちが、捨てられる山。

ある日、そこで暮らす男は七人の幼い子供を見つけた。

人間、竜人、獣人、エルフ、魔族、吸血鬼、鬼人。

種族も、生まれも、捨てられた理由も違う七人。

男は少し考えてから、全員を家へ連れて帰った。

腹が減ったら飯を食え。
悪いことをしたら謝れ。
姉妹で喧嘩したなら話し合え。
困っている奴がいたら、できる範囲で助けろ。
どうしても殴られるなら、自分の身くらい守れ。

男が教えたのは、その程度のことだった。

山には学校もなければ、貴族も、神殿も、冒険者ギルドもない。

七人にとって世界の常識とは、父親が教えてくれたことと、姉妹八人で暮らした日々の中にあるものだけだった。

やがて少女たちは成長し、一人、また一人と山を下りていく。

父親は知らなかった。

自分が普通だと思って育てた娘たちが、外の世界では一人残らず規格外だったことを。

そして娘たちも知らなかった。

「家では普通だった」が、下界ではまったく普通ではないことを。

「父さんが、困っている人は助けろって言ってた」

そう言って一国を救い、

「話し合っても駄目なら身を守っていいって」

そう言って軍勢を叩き伏せる。

やがて世界中で囁かれ始める。

竜皇も。
獣王も。
魔王も。
鬼神も。

なぜ揃って同じ人物を、

――父さん。

と呼ぶのか、と。

その頃、当の父親はそんな騒ぎなど何も知らず、静かになった山で――また一人、新しい捨て子を見つけていた。

右には天使の白い翼。

左には悪魔の黒い翼。

これは、世界から捨てられた子供たちと、そんな彼女たちをただ娘として育てた父親の物語。
第2話 七人分の夕飯
2026/08/14 00:47
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