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御霊還しの巫女

作者:榊志乃
最新エピソード掲載日:2026/08/14
現代――。

古くから、神々をその身に迎える「神卸(かみおろし)」を受け継いできた一族があった。

人々は神の力を借り、雨を願い、実りを祈り、土地の恵みとともに生きてきた。

その一方で、遥か昔。

神々から切り離された荒魂は、人の世を脅かすものとして各地へ封じられた。

長い時が流れ、荒魂はいつしか人々の記憶から遠ざかり、神卸もまた、一族に受け継がれる神事として静かに残るだけとなっていた。

――その封印が、再び綻び始めるまでは。

神卸の器として育てられた少女・瑞稀(みずき)は、父の教えに従い、自らの感情を表に出すことなく日々を送っていた。

しかしある日、帰宅途中で、封印されていたはずの荒魂と遭遇する。

幼なじみの旭が雷神の力で応戦するも、荒魂を倒すことはできない。

その時、瑞稀の耳元に神秘の声が響いた。

――迎えよ。

導かれるまま、瑞稀は初めて自らの意思で神を迎える。

「――謹んで、お迎えいたします。」

そこで瑞稀が知ったのは、荒魂が討つべき怪物ではなく、神から切り離された怒りや悲しみ、そのものだということだった。

傷ついた神々の声を聞き、その御魂をあるべき場所へ還していく瑞稀。

けれど、神をその身へ迎えるたび、彼女自身もまた、大切なものを少しずつ失っていく。

なぜ、長く保たれていた封印は崩れ始めたのか。

岩戸へ姿を隠した天照。

行方の分からない母。

そして、自分は何を望み、誰とともに歩きたいのか。

役目として生きてきた少女は、神々との出会いを通して、やがて自らの心で選ぶことを知っていく。

これは、荒ぶる神を討つ物語ではない。

怒りも、悲しみも、傷も抱えたまま――

失われた御魂を、もう一度ひとつへ還す巫女の物語。
第一話 「神を迎える器」
2026/07/20 00:01
第二話 「導く神」
2026/07/25 01:16
第四話 「神託」
2026/07/25 01:16
第五話 「日々の欠片」
2026/07/28 23:33
第六話 「鳥居の影」
2026/07/28 23:33
第七話 「宇迦之御魂」
2026/07/28 23:33
第八話 「鏡の記憶」
2026/07/30 21:01
第九話 「赤黒い焔」
2026/07/30 21:02
第十話 「結ぶ縁」
2026/08/01 09:57
第十一話 「還る場所」
2026/08/01 09:57
第十二話 「遠い縁」
2026/08/01 09:57
第十三話 「花冷え」
2026/08/01 19:55
第十四話 「証」
2026/08/02 00:05
第十五話 「近づく距離」
2026/08/02 00:05
第十六話 「守られる者」
2026/08/02 00:05
第十七話 「隣に立つ者」
2026/08/02 00:06
第十八話 「見えない糸」
2026/08/02 09:28
第十九話 「問い」
2026/08/02 09:28
第二十八話「還る潮」
2026/08/09 19:44
第三十六話 「通う心」
2026/08/13 06:00
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