「茶なんて、誰が淹れても同じでしょう」と婚約破棄された私、辺境で一杯だけ淹れています 〜何も味がしないという辺境伯が、私の茶だけ「匂いがする」と仰るのです〜
最新エピソード掲載日:2026/09/01
「茶なんて、誰が淹れても同じでしょう」——そう言われて婚約を破棄された日、私は王家の茶をすべて調合していた本人でした。
伯爵令嬢ユーフェミアの仕事は、香りで人の状態を読むこと。眠れていない、無理をしている、毒を盛られている——茶葉の配合ひとつで、それを本人に気づかせる。五年続けたその仕事を「趣味」と呼ばれ、彼女は北の辺境へ発ちました。
開いた小さな茶房に、毎朝ひとりだけ客が来ます。三年前の毒で味も匂いも失った、無愛想な辺境伯レオハルト。
一口飲んで、彼は動きを止めました。
「……土の匂いがする。雨の、降ったあとの」
一方その頃、王都では誰も眠れなくなっていて——ですが、それはもう私の仕事ではありません。
伯爵令嬢ユーフェミアの仕事は、香りで人の状態を読むこと。眠れていない、無理をしている、毒を盛られている——茶葉の配合ひとつで、それを本人に気づかせる。五年続けたその仕事を「趣味」と呼ばれ、彼女は北の辺境へ発ちました。
開いた小さな茶房に、毎朝ひとりだけ客が来ます。三年前の毒で味も匂いも失った、無愛想な辺境伯レオハルト。
一口飲んで、彼は動きを止めました。
「……土の匂いがする。雨の、降ったあとの」
一方その頃、王都では誰も眠れなくなっていて——ですが、それはもう私の仕事ではありません。
第1話:婚約破棄の日、私は茶葉を数えていた
2026/07/24 17:00
(改)
第2話:北へ行く馬車と、荷物ひとつ
2026/07/24 18:00
第3話:匂いがする
2026/07/24 19:00
第4話:お代は結構です、と言えない事情
2026/07/24 20:00
第5話:見習いは、舌が良すぎる
2026/07/24 21:00
第6話:王都から手紙が来ない
2026/07/24 22:00
第7話:では、君が淹れてみろ
2026/07/24 23:00
(改)
第8話:眠れない女将の、二杯目
2026/07/25 18:00
第9話:故郷の味を思い出せない兵
2026/07/26 18:00
第10話:舌が痺れる
2026/07/27 18:00
第11話:王都からの、丁寧な手紙
2026/07/28 18:00
第12話:弔いの帰りに寄る人
2026/07/29 18:00
第13話:茶葉が、届かない
2026/07/30 18:00
第14話:誰も飲めない茶会
2026/07/31 18:00
第15話:霧の茶
2026/08/01 18:00
(改)
第16話:商人が雪を踏んで来る
2026/08/02 18:00
第17話:敵の手代にも、茶は出す
2026/08/03 18:00
第18話:王妃陛下のご意向だ
2026/08/04 18:00
第19話:三倍出そう、と言われた日
2026/08/05 18:00
第20話:王都で、眠れない人が増えている
2026/08/06 18:00
第21話:床下から出たもの
2026/08/07 18:00
第22話:こわい、と言った人
2026/08/08 18:00
第23話:空振りの買い占め
2026/08/09 18:00
第24話:王都へ、二人と一冊
2026/08/10 18:00
第25話:同じ匂いだった
2026/08/11 18:00
第26話:殿下は、眠れていない
2026/08/12 18:00
第27話:王妃陛下の前で、一杯
2026/08/13 18:00
第28話:王家の茶に入っていたもの
2026/08/14 18:00
第29話:誰も淹れられなかった半年
2026/08/15 18:00
第30話:北へ帰る
2026/08/15 19:00
(改)
第31話:白い地図
2026/08/24 18:00
第32話:二百二十を数える男
2026/08/25 18:00
第33話:眠りの茶
2026/08/26 18:00
第34話:買い付け人
2026/08/27 18:00
第35話:灰の葉
2026/08/28 18:00
第36話:三番の匙
2026/08/29 18:00
第37話:では、行きましょう
2026/08/30 18:00
第38話:峠の番小屋
2026/08/31 18:00
第39話:道が白くなる
2026/09/01 18:00