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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

雨が君を連れ去ってしまう前に

作者:蒼開襟
最終エピソード掲載日:2026/05/30
雨の中、復讐が始まる

遠くで雷が避雷針に落ちた。弾ける音に一瞬顔を上げたが、稲光がピシャっと枯れ枝のように広がり、鳴り止むことのない雷は燻り続けている。路地を抜けて小さな地下鉄の入り口へ滑り込むと雨もまた階段をひたひたと降りていた。

 薄暗い壁は汚れており、チカチカ点灯する電灯の周りでは羽虫が飛びまわっている。

 ナツキは濡れた傘を数度開き、雨粒を飛ばしてから傘を折りたたむ。腕時計は午後七時を回っていた。久しぶりの外出で偶然会った友人とお喋りをして、戻ってくる頃には急な大雨。TVの天気予報はまたハズレで梅雨がもう来たのかと溜息をつく。卸したててのジャケットは雨に濡れて重く、ヒールは泥が跳ねて汚れていた。

 このあたりなら雨には濡れないし、雷の心配もないだろう。足を止めては見るも、階段を降りてくる雨のほうが少し心配だった。近頃は浸水してしまう地下道もあると聞いていたから、ここで立ち止まるほうが無難だ。

 ふと物音に視線を階段の下に移す。バシャン、カツンと響いている。規則正しいリズムで階段を上がってくるそれは男を連れてきた。いかにもサラリーマンという男は視線を上げて
2 七月に零
2026/04/23 01:00
3 蠢くからだ
2026/04/24 02:00
4 宝石の名
2026/04/25 02:00
5 かくれんぼ
2026/04/26 02:00
7 神と僕
2026/04/28 02:00
9 共感
2026/05/01 02:00
10 自然の定義
2026/05/02 02:00
11 外法
2026/05/03 02:00
12 屍人形
2026/05/04 02:00
13 悲しき思い出
2026/05/05 02:00
14 優しさの裏側
2026/05/06 02:00
15 干渉
2026/05/07 02:00
16  接触
2026/05/08 02:00
17 黒い水
2026/05/09 02:00
18 巫女と鬼
2026/05/10 02:00
19 神様
2026/05/11 02:00
20 合流
2026/05/12 02:00
21 思惑
2026/05/13 02:00
23 意識ある者
2026/05/15 02:00
24 贖う者たち
2026/05/16 02:00
25 愛が沈む
2026/05/17 02:00
27 獣の咆哮
2026/05/19 02:00
28 鱗が落ちて
2026/05/20 02:00
29 烏
2026/05/21 02:00
30 巣窟
2026/05/22 02:00
31 最後の執行者
2026/05/23 02:00
32 アマツの狐
2026/05/24 02:00
33 カシミヤ
2026/05/25 02:00
34 罪と罰
2026/05/26 02:00
35 愛ゆえに
2026/05/27 02:00
36 恋する人
2026/05/28 02:00
37 抱擁に
2026/05/29 02:00
38 ただ祝福を
2026/05/30 02:00
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