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君の彼女でよかったとよ

作者:ひとひら
最終エピソード掲載日:2026/10/20
 全九州ジュニアベスト4。
 高校でもテニスを続け、その先を目指すはずだった中牟田栞は、入学直前に大型バイクの事故に遭う。

 右脚に大怪我を負い、長いリハビリと消えない傷痕を残された栞は、自らテニスを捨てることを決めた。

 そんな彼女の前に現れたのは、甘露寺かなた。

 細い身体。黒髪に混じる一房の白い髪。そして、異様なほど正確で美しいスイング。

 全国優勝、世界ジュニアランキング三位。
 かつて将来を期待された天才だった彼もまた、大きな病気によってテニスを奪われていた。

「できるのにやらないのは勿体ないって思っちゃったんだ。僕は、やりたくても思いっきりできないから」

 その言葉に傷つき、腹を立て、それでも栞は彼から目を離せなくなる。

 彼が打つ。
 栞の身体が先に動く。
 栞が打つ。
 彼が同じ場所へ返す。

 何度もそのテニスを見て、何度もそのボールを受けるうちに、栞の身体には少しずつ彼のリズムが刻まれていく。

 傷痕を好きになれないまま。
 事故を許せないまま。
 失ったものを、失ったまま。

 それでも栞は、自分の脚で、自分の人生をもう一度選び始める。

 そして、かなたもまた、病気の向こう側に置き去りにしてきた「生きたい」という願いと向き合っていく。

 これは、傷を克服する物語ではない。

 愛する人を救える物語でもない。

 それでも誰かと出会い、その人から受け取ったものを身体の奥に遺したまま、自分の人生を生きていく少女の物語。

「私は、君の彼女でよかったとよ」
剥き出しの右脚と灰色の空
2026/03/26 23:34 (改)
「ミシリ」と、砕けた未来
2026/03/27 00:37 (改)
恍惚とした呪い
2026/03/27 01:01 (改)
増悪の再現性
2026/03/28 00:38 (改)
空の下の青
2026/03/31 01:24 (改)
遺物の返還
2026/04/01 23:41 (改)
幻痛
2026/04/11 02:55 (改)
喪失と欠落
2026/10/19 03:11
才能の向こう側
2026/10/19 12:58
辛いものは辛い
2026/10/19 15:20
真上の君
2026/10/19 15:53
知らない君
2026/10/19 21:10 (改)
磁石のように
2026/10/19 22:49
ほどける
2026/10/19 22:52 (改)
反射
2026/10/19 23:02 (改)
安堵のさき
2026/10/19 23:09
三人模様
2026/10/19 23:12 (改)
もう一球
2026/10/19 23:26 (改)
ど真ん中
2026/10/19 23:30 (改)
いるのに知らない
2026/10/19 23:39 (改)
今の彼
2026/10/19 23:43
執着
2026/10/20 00:00 (改)
残っているもの
2026/10/20 00:08 (改)
決めた距離
2026/10/20 00:56
ゆずれんかった
2026/10/20 01:01 (改)
待ち遠しい
2026/10/20 01:06
変化の影
2026/10/20 01:11
笑顔の行方
2026/10/20 01:16
このポジション
2026/10/20 01:29
おりたかった
2026/10/20 01:33
遺して生きる
2026/10/20 02:42
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