夫の愛人が産んだ子を七年育てましたので、役目は終わりですね
最終エピソード掲載日:2026/04/26
公爵夫人セレナは、結婚した日から全てを知っていた。
夫の愛人のこと。その愛人が産んだ子を、自分が育てていること。
夫が自分の仕事の手柄を全て横取りしていること。
知った上で、七年間残った。あの子に罪はなかったから。
だが七年目の春、息子が「本当のお母様に会いたい」と言った日——セレナは微笑んで離縁届を差し出した。泣きも怒りもせず、ただ一言。
「私の七年分の帳簿を、どうぞご自分でおつけくださいませ」
去った先で待っていたのは、八年前に縁談を断った不器用な伯爵と、赤字だらけの帳簿の山。
帳簿を武器に領地を立て直す日々の中、毎晩机に届く温かい茶。銘柄を全部覚えている、無口な領主。
元夫は泣いていた。私は、新しい領地の花を植えていた。
夫の愛人のこと。その愛人が産んだ子を、自分が育てていること。
夫が自分の仕事の手柄を全て横取りしていること。
知った上で、七年間残った。あの子に罪はなかったから。
だが七年目の春、息子が「本当のお母様に会いたい」と言った日——セレナは微笑んで離縁届を差し出した。泣きも怒りもせず、ただ一言。
「私の七年分の帳簿を、どうぞご自分でおつけくださいませ」
去った先で待っていたのは、八年前に縁談を断った不器用な伯爵と、赤字だらけの帳簿の山。
帳簿を武器に領地を立て直す日々の中、毎晩机に届く温かい茶。銘柄を全部覚えている、無口な領主。
元夫は泣いていた。私は、新しい領地の花を植えていた。
第1章
第1話 役目は終わりですね
2026/04/11 12:03
第2話 空の台所、満ちた実家
2026/04/11 12:03
第3話 八年越しの帳簿
2026/04/11 12:03
第4話 赤字の交易路に、風が吹く
2026/04/11 12:03
第5話 読めない帳簿、揺れる公爵
2026/04/11 12:03
第6話 覚えていた味
2026/04/11 12:03
第7話 知っていた
2026/04/11 12:04
第8話 取り戻せないもの
2026/04/11 12:04
(改)
第9話 私の居場所は、私が決めます
2026/04/11 12:04
(改)
第10話 花を植える朝
2026/04/11 12:04
第2章
第1話 冬支度と、届かない通告
2026/04/14 22:02
第2話 古い棚と、読めない一行
2026/04/14 22:02
第3話 通訳は、笑って訪ねてきた
2026/04/14 22:02
(改)
第4話 ドレスの三秒と、王都の刺繍
2026/04/14 22:02
第5話 祭壇布の金文字
2026/04/14 22:03
第6話 白い花と、持ってきた絵
2026/04/14 22:03
(改)
第7話 本当のお母様は、空にいる
2026/04/14 22:03
第8話 筆談の夜、八年前と同じように
2026/04/14 22:03
第9話 扇が、床に落ちる音
2026/04/14 22:03
第10話 花を植えた朝の、その先で
2026/04/14 22:03
(改)
第3章
第1話 雪解けと、未処理の箱
2026/04/15 19:05
(改)
第2話 副官の、秘密のノート
2026/04/15 19:06
第3話 文箱の底の、書かれなかった一行
2026/04/15 19:06
第4話 届く前に、倒れていた
2026/04/15 19:06
第5話 門の外で待つ、という言葉
2026/04/15 19:06
(改)
第6話 焼き残した、一冊
2026/04/15 19:06
(改)
第7話 お前の子なら、守る
2026/04/15 19:06
第8話 木剣と、子供用の帳簿
2026/04/15 19:06
第9話 国境の、同じ部屋の空気
2026/04/15 19:06
第10話 これは、交渉ではなく
2026/04/15 19:06
第11話 祭壇布の、真下で
2026/04/15 19:06
第12話 ヴァイス、と書く朝
2026/04/15 19:07
第13話 締め終えた頁、次の儀式の名前
2026/04/15 19:07
第14話 指先を、返す
2026/04/15 19:07
第15話 花壇を、広げる朝
2026/04/15 19:07
第4章
第1話 冬の三杯目の茶
2026/04/17 12:28
第2話 震える字で、薔薇の蔦を
2026/04/18 12:18
第3話 王都の馬車、三人分の荷物
2026/04/19 12:47
第4話 ぼくの赤えんぴつ
2026/04/20 12:18
(改)
第5話 読めない、と言えた人
2026/04/21 12:19
第6話 父の帳簿、子の赤鉛筆
2026/04/22 12:18
第7話 書けない便箋
2026/04/23 12:18
第8話 書ける便箋と、書けない便箋
2026/04/24 12:22
第9話 薔薇園に、雪の名残
2026/04/25 12:52
第10話 守る、の、続きを
2026/04/26 12:24
第11話 木剣と、きょうだい
2026/04/26 12:24
(改)
第12話 ひらく、を、別の指で
2026/04/26 12:24
第13話 わたしの、はじめての朝
2026/04/26 12:24
第14話 花壇を、また広げる朝
2026/04/26 12:24