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アトカの空白の腕

作者:鷺沼鳩屋
最新エピソード掲載日:2026/07/14
両腕のない王子として生まれた少年は、祝福されることなく、ガラクタとして国境の森に捨てられた。
吐き捨てられた言葉を名として背負った少年、アトカ。
元冒険者夫婦に拾われ、アッシュフォード家の子として育った彼は、血ではなく愛情によって家族を得た。
優しい父と母。自慢の兄ルト。そして、いつか学園で再会し、自分の成長を見せるという大切な約束。
だが、アトカには普通の魔術が使えなかった。
杖も、詠唱も、術式計算も、彼の力を正しく導くことはできない。
両腕を持たずに生まれた彼の魔力は、外へ放たれる方向を見失い、従来の魔術の型から大きく外れていた。
そんなアトカを鍛え上げたのは、世界最高峰の魔女キルウェスタ。
彼女の苛烈な指導の中で、アトカは義手を自らの身体として受け入れ、空間そのものと同調する異質な魔術を身につけていく。
それは、世界でも数えるほどしか到達者のいない同調位階。
アトカの魔術は、彼だけの水と霧の魔術だった。
十歳になったアトカは、兄との約束を胸に、王立エルシオン学園へ入学する。
そこで彼は、普通では測れない者たちが集められた特等枠へ迎え入れられる。
泣くだけで人を壊しかねない治癒の少女。
魔術を喰らう飢えた少年。
数式に取り憑かれた天才。
触れるものを爆ぜさせる孤独な少年。
三秒先に罠を置く静かな先輩。
欠けた者、壊れた者、異質な者たちと出会いながら、アトカは学園で少しずつ自分の居場所を作っていく。
これは、欠けた少年が、欠けたまま立ち上がる物語。
そして、怪物ではなく魔術師として、誰かの隣に立つ物語。
欠けた子と魔女の手
ガラクタと呼ばれた少年
2026/07/03 11:13
初めての水球
2026/07/03 11:15
水の剣と失われた方角
2026/07/03 11:16
黒日傘の魔女
2026/07/03 11:17
ゼロ点の魔術師
2026/07/03 20:10
ゼロ点の呼吸
2026/07/04 14:47
兄の木剣と魔女の扇
2026/07/04 14:51
暖炉の前の教育論
2026/07/04 14:54
帝都で会おう
2026/07/04 14:57
右腕の始まり
2026/07/04 15:03
初めての及第
2026/07/04 19:16
ゼロ点の先へ
2026/07/04 19:21
世界を奪う魔女
2026/07/05 11:04
届きかけた水
2026/07/05 19:13
水の小鳥と魔女のステップ
2026/07/06 10:12
一滴
2026/07/06 20:55
黒蜘蛛のローブ
2026/07/07 09:07
特等枠の怪物たち
歓迎されない入学
2026/07/07 20:38
黒蜘蛛の弟子
2026/07/08 09:55
測定不能の特等枠
2026/07/08 19:07
泣いてる子の光
2026/07/09 09:12
魔力を食う先輩
2026/07/10 12:38
優しい案内人
2026/07/10 21:14
数式では届かない霧
2026/07/12 00:26
大岩砕きの息子
2026/07/13 10:35
爆心に咲く白霧
2026/07/14 10:16
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