処刑を免れた悪役領主は目立ちたくない ~前世は土木の現場監督。黙って道と橋を直していたら、俺を捨てた王国軍が頭を下げてきた~
最新エピソード掲載日:2026/10/12
手抜き普請で民を死なせた悪役領主アルヴィン。処刑を免れた代わりに押し付けられたのは、水面より低い泥の飛び地だった。その中身は、災害復旧ひと筋で殉職した現場監督のおっさんである。
目立てば潰される。俺はただ、水を抜き、道を均し、落ちない橋を架けて、静かに年貢を納めたいだけ。
ところが、いい道は勝手に使われる。渡しに三日待ちだった荷が半日で通り、廃れた旧街道に荷車の列ができ——気づけば、王都と国境を結ぶ兵站の急所が俺の橋の上にあった。
「その道を軍に寄越せ」と、今さら兵站総監が言ってくる。いいだろう、通してやる。ただし、うちの橋には重量制限がある。札のない車は通さない。
雪解けの増水が、どちらの橋が本物かを教えてくれる。
目立てば潰される。俺はただ、水を抜き、道を均し、落ちない橋を架けて、静かに年貢を納めたいだけ。
ところが、いい道は勝手に使われる。渡しに三日待ちだった荷が半日で通り、廃れた旧街道に荷車の列ができ——気づけば、王都と国境を結ぶ兵站の急所が俺の橋の上にあった。
「その道を軍に寄越せ」と、今さら兵站総監が言ってくる。いいだろう、通してやる。ただし、うちの橋には重量制限がある。札のない車は通さない。
雪解けの増水が、どちらの橋が本物かを教えてくれる。
第0話「泥の匂いは悪くない」
2026/08/31 09:09
第1話「ようこそ、神様の堀へ」
2026/08/31 09:09
第2話「水面より低い村」
2026/08/31 09:09
第3話「畑一枚の説得」
2026/09/08 08:15
第4話「縄の結べる貴族」
2026/09/09 07:52
第5話「焼いてみれば、わかる」
2026/09/11 07:52
第6話「抜くのは三筋だけ」
2026/09/12 07:52
第7話「臆病者の普請」
2026/09/13 07:52
第8話「沈む橋のご紹介」
2026/09/14 07:52
第9話「石の目、水の癖」
2026/09/15 07:52
第10話「潜って耐えるという流儀」
2026/09/20 07:52
第11話「割れた煉瓦も窯の内」
2026/09/21 07:52
第12話「いい道は隠せない」
2026/09/22 07:52
第13話「関所の言い分、沼の抜け道」
2026/09/23 07:52
第14話「桁に残った古い傷」
2026/09/24 07:52
第15話「合法という名の人さらい」
2026/09/25 07:52
第16話「初市の音が消えた朝」
2026/09/26 07:52
第17話「図面を焼くには、雨が要る」
2026/09/27 07:52
第18話「落ちない道への回り道」
2026/09/28 07:52
第19話「敵陣の帳面は正直」
2026/09/29 07:52
第20話「自然損耗、七件」
2026/10/01 07:52
第21話「泥に嵌まった貴人」
2026/10/02 07:52
第22話「株と引き換えの踏み絵」
2026/10/03 07:52
第23話「札のない橋は渡らない」
2026/10/04 07:52
第24話「十日で六百石」
2026/10/05 07:52
第25話「空振りの夜」
2026/10/06 07:52
第26話「一本道と迷い道」
2026/10/07 07:52
第27話「遅いほうが先に着く」
2026/10/08 07:52
第28話「音で知らせる正しさ」
2026/10/09 07:52
第29話「堤を切るのは俺の仕事」
2026/10/10 07:52
第30話「急所の譲り方」
2026/10/11 07:52
エピローグ「呼び名だけが目立っていく」
2026/10/12 07:52