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わたしへの恋を、わたしに相談しないでください ~深夜の精霊ラジオ、常連リスナーの正体は石像と呼ばれる騎士団長でした~

作者:みだん
最新エピソード掲載日:2026/11/02
ライバーに恋する全てのリスナー達へ──


薬師エルナには、夜だけ別の顔がある。

精霊の力を借りた「語り灯」を通して、眠れない人たちの相談に答える夜語り――その名も《宵待》。

薬草の相談から夫婦喧嘩、眠れない夜の過ごし方まで。
顔の見えないリスナーたちの声に、エルナは毎晩、言葉を返している。

そんな彼女には、半年間欠かさず便りを寄越す常連がいた。

夜の名は《見習い》。

いつもは自分のことを語らず、部下の怪我や騎士たちの体調ばかりを相談してくる、少し不器用なリスナーだ。

ところがある夜、彼から初めて「自分自身の相談」が届く。

――仕事で関わった女性のことが気になっている。
――その人に、どう近づけばいいのか分からない。

エルナは薬師として、そして《宵待》として、彼の恋を応援することになる。

花を贈ってみては?
まずは相手の好きなものを知ってみては?
困っているときには、さりげなく手を貸してあげて。

そう助言した翌朝。

エルナの店に現れたのは、部下の怪我をきっかけに知り合った、あの「石像団長」だった。

無口。
無表情。
何を考えているのか、まるで分からない。

しかも彼は、なぜか大量の薬草を木箱ごと持ってきて――

「……花だ」

「カモミールですね。業務用の量の」

どうやら恋愛相談の相手は、とんでもなく不器用らしい。

やがてエルナの周囲では、騎士団による謎の聞き込みが始まり、店の前には石像団長が毎日のように立つようになる。

一方、《宵待》のもとには、今日も《見習い》から便りが届く。

自分が恋されているとも知らずに。

そしてエルナ自身も、少しずつ気づき始める。

昼間、店を訪れるあの人と。
夜、声だけで心を通わせるあの人。

――もし、この二人が同じ人だったら?

これは、顔の見えない「推し」に恋をした騎士と、
その恋愛相談に乗っているうちに、自分自身が恋されていることに気づかない薬師の物語。

今夜も《宵待》は、あなたの眠れない夜に灯りをともす。
第十二話 小窓
2026/10/15 17:00
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