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追放された悪役令嬢に、無口な養蜂家が蜂蜜で求婚してきます

作者:夜凪 蒼
最終エピソード掲載日:2026/06/16
悪役令嬢シャルロッテは追放された。辺境の村に放り出され、身一つで途方に暮れていた。

蜂がいた。たくさんいた。

普通なら逃げる。でもシャルロッテは逃げなかった。

前世の記憶がある。前世は養蜂家の娘だった。蜂の扱い方は体が覚えている。

「……あら、この子たち、元気ね」

蜂に好かれる体質だった。前世から。

村の端に放置された養蜂場を引き継ぎ、シャルロッテの田舎スローライフが始まる。蜂蜜を採って、村に売って、たまに隣の養蜂家のおじいさんに怒られて。

問題は、このおじいさんの孫が、無口すぎて表情のない青年だということ。蜂を見るときだけ目が優しくなるニクラスは、蜂蜜の味で花の種類を当てる特技を持つ。

言葉の足りないその男は、想いを伝えるとき——言葉の代わりに、一年かけて育てた蜂の蜜を一瓶だけ差し出してくる。

王宮には戻りません。ここの蜂蜜が、世界でいちばん甘いので。
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