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悪役令嬢を推すのはやめてください、王太子殿下

作者:夜凪 蒼
最終エピソード掲載日:2026/06/19
公爵令嬢セリーヌ・ヴァルモアには前世の記憶がある。ここは乙女ゲーム『薔薇と棘の誓い』の世界で、自分は卒業の夜——建国祭の舞踏会で断罪され、王都を追われる悪役令嬢だ。

普通なら嘆くところだが、セリーヌに言わせれば断罪は破滅ではなく「出口」。婚約破棄と追放さえ済めば、この息苦しい王太子妃ルートから解放されて、辺境で猫を飼ってのんびり暮らせる。

だから彼女の計画はただひとつ、予定通り盛大に断罪してもらうこと。そのためにせっせと嫌われておく——はずが、婚約者の王太子リオネルは、なぜか彼女のガチ推しだった。

塩対応すれば「尊い」と観察日記に書き留め、悪事は勝手に美談へ変換する。推され度が上がるほど、断罪は遠のいていく。

「殿下、お願いですから私を推さないでください。断罪してもらえないと困るんです」

断罪されたい令嬢と、推すのをやめない王太子。空回りの攻防の果てに、セリーヌは完璧な王子がずっと隠してきた孤独に気づいていく。
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