↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR

研磨師のわたくしに婚約破棄を告げるなら、せめて指輪を外してからになさいませ

最終エピソード掲載日:2026/09/08
「この程度の石で十分だろう。お前に本物は勿体ない」

婚約破棄を告げる男の指で、小さな石が光っていた。ヴィオラにはひと目で分かった。——四年前、自分がこの手で削った石だ。

削った石には、削った者の癖が残る。砥ぎの角度、面の運び、指の力の抜き方。だからヴィオラは、自分が仕上げた石を必ず見分けられる。王都の御用工房で十年、名前を貸されないまま石を削り続けてきた娘の、それがたった一つの財産だった。

けれど、その財産が彼女の首を絞める。四年前に「磨き直せ」と命じられた石は、すべて贋物だった。社交界に散らばった偽物には、一つ残らず彼女の癖が刻まれている。誰かが気づいたとき、罪を着るのは削った者だ。

石は、一度削れば二度と元には戻らない。証拠を消すことも、作ることも、彼女にはできてしまう。

「これは、あなたの仕事ですね」

王家の宝物庫を預かる青年ラウルだけが、彼女の石を彼女のものとして数えた。

自分が加担した嘘を、一つずつ数え直す物語。

※ハッピーエンド確約です。嘘をついた方々には、相応の目に遭っていただきます。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。