全能視覚の冒険者

　神を信奉するすべての民に、〝天分〟という才能が与えられ、それを人々に教える役目を負った〝教会〟なる組織が大きな権力を持つ世界。
　同じ孤児院出身の仲間達とともに冒険者として活動しているレンは、ある日、他の仲間に比べ〝天分〟に恵まれず、足手まといとの理由から、パーティーを追放される。
　拠点の街を移し、ひとりで活動するようになるも、うだつの上がらぬレンの前に、〝天分〟の告知を行う〝教会〟の宣託官を名乗る女が現れる。
　彼女は、かつてレンに宣託された〝天分〟が間違っていたと伝えたうえ、再宣託を行う。
　己の本当の〝天分〟が〝全能視〟という稀有な才能であると知ったレンは、図らずもその能力を使い己が追放された本当の理由を知ったことで、壮絶な復讐へその身を投じることとなる。