↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR

詫び役の妻を追い出した家に、二十年ぶんの祟りが古い順から帰っているそうです ~わたしは今、名を忘れた神様の隣におりますので~

最終エピソード掲載日:2026/08/21
「お前は詫び状を書くしか能がない。もう要らぬ」

二十年連れ添った夫から三行半を渡されたとき、鶴(つる)はただ、思っていたより紙が軽い、と思った。

名家・八朔(はっさく)の家に嫁いでからずっと、鶴の仕事は詫びることだった。夫が伐った社の木。姑が踏んだ道祖神。義弟が笑って捨てた供物。人があやかしに与えた無礼を、鶴だけが数え、鶴だけが正しい作法で詫びてきた。誰も見ていなかったし、誰も覚えていなかった。

——鶴が屋敷を出た翌朝から、八朔の家には二十年ぶんの祟りが、古いものから順に帰りはじめる。

行くあてもなく歩いた鶴を拾ったのは、帝都の外れで朽ちかけた社に棲む、名も忘れられた古い神だった。人に祀られなくなって久しい彼は、詫びを受け取る相手がいないまま、静かに飢えていた。

「——お前は。私に、正しく頭を下げられるのか」

こうして鶴は、神様の妻として一年だけの契約を結ぶ。帝都に散らばった祟りを解いて回るために。そして、ようやく自分が頭を下げなくていい場所を見つけるために。

ただし、鶴に祟りを祓う力はない。彼女にできるのは、たったひとつだけ——。

※全30話・完結まで執筆済みです。毎日更新。ハッピーエンドです。
第30話 澪
2026/08/21 07:45
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。