毒味役に、毒の味は分かりません ~倒れて初めて分かるのです。なのに閣下は、わたくしより先に召し上がる~
最終エピソード掲載日:2026/08/29
「一口目は、いつもわたくしのものです」
没落した家の借財の形として大公家に売られたレナは、十七人目の毒味役になった。仕事は、主人が匙を取る前に、すべての皿を一口ずつ口に運ぶこと。吐き出すことは許されない。
けれど、わたくしには毒の味が分かりません。入っていたかどうかを知るのは、いつも倒れたあとです。
冷酷と噂されるアルヴィス大公は、誰とも食事を共にしない人だった。名を呼ばれることもなく、「毒味」とだけ呼ばれる日々。それでもレナは、生きている限り食べ続けるつもりだった。
――ある夜、大公が先に匙を取った。
「今日は、私が先にいただこう」
なぜ、と問うことは許されない。けれどその日から、彼は毎晩わたくしより先に食べるようになった。
そして厨房に残された古い献立の記録を数えたとき、レナはようやく気づく。十六人の前任者たちは、主人を守って死んだのではなかったのだと。
毒を見抜く力も、耐える身体も持たない令嬢が、飲み込んできた回数だけを武器に、食卓の嘘を崩す物語。
※ハッピーエンド確約です。
没落した家の借財の形として大公家に売られたレナは、十七人目の毒味役になった。仕事は、主人が匙を取る前に、すべての皿を一口ずつ口に運ぶこと。吐き出すことは許されない。
けれど、わたくしには毒の味が分かりません。入っていたかどうかを知るのは、いつも倒れたあとです。
冷酷と噂されるアルヴィス大公は、誰とも食事を共にしない人だった。名を呼ばれることもなく、「毒味」とだけ呼ばれる日々。それでもレナは、生きている限り食べ続けるつもりだった。
――ある夜、大公が先に匙を取った。
「今日は、私が先にいただこう」
なぜ、と問うことは許されない。けれどその日から、彼は毎晩わたくしより先に食べるようになった。
そして厨房に残された古い献立の記録を数えたとき、レナはようやく気づく。十六人の前任者たちは、主人を守って死んだのではなかったのだと。
毒を見抜く力も、耐える身体も持たない令嬢が、飲み込んできた回数だけを武器に、食卓の嘘を崩す物語。
※ハッピーエンド確約です。
第1話 わたくしには、毒の味が分からない
2026/08/15 06:30
第2話 席が空いたと聞いた日
2026/08/15 08:00
第3話 数えていますよ、ちゃんと
2026/08/15 12:30
第4話 その皿を、下げろ
2026/08/15 17:00
第5話 呼び名を、考えておきます
2026/08/16 08:00
第6話 十六年、誰とも
2026/08/16 17:00
第7話 前の方より、ずっと
2026/08/17 08:00
第8話 床の鳴る場所
2026/08/17 17:00
第9話 言おうとして、やめた
2026/08/18 08:00
第10話 数が合わない
2026/08/18 17:00
第11話 今日は、私が先に
2026/08/19 08:00
第12話 厳しくなるのは、閣下ではありません
2026/08/19 17:00
第13話 峠が閉じる前に
2026/08/20 08:00
第14話 理由は言わない
2026/08/20 17:00
第15話 私には聞こえなかった
2026/08/21 08:00
第16話 わたしは宗務院の者です
2026/08/21 17:00
第17話 三人しかいない
2026/08/22 08:00
第18話 食べないでいただきたい
2026/08/22 17:00
第19話 わたしの名前を、だれか
2026/08/23 08:00
第20話 三分の一匙
2026/08/23 17:00
第21話 名前の欄は、空でございます
2026/08/24 08:00
第22話 六年、疑っていた
2026/08/24 17:00
第23話 行きに五日、帰りに五日
2026/08/25 08:00
第24話 よく、眠れていますか
2026/08/25 17:00
第25話 書かなくてよいことだけ
2026/08/26 08:00
第26話 なかったことになります
2026/08/26 17:00
第27話 線は、日付だった
2026/08/27 08:00
第28話 起こることを、先に書ける者
2026/08/27 17:00
第29話 いやです
2026/08/28 17:00
第30話 毒味ではない一口
2026/08/29 08:00