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後悔と再出発――それぞれの人生を選び直す物語

人生で一度だけ、あの日へ言葉を届ける洗濯機

作者:雨宮 弦
最終エピソード掲載日:2026/10/31
離婚した三十五歳の早苗が管理を始めた、小さなコインランドリー「ひだまり」。療養中の叔母から預かった使用停止の七番機には、服を着ていた日に飲み込んだ一言を、過去へ届ける力があった。

同じ服を持つ本人だけが、一人、一生に一回。
送れるのは四十字以内の一文。言葉は届いても、相手の返事までは選べない。

面接のスーツ、母と食事をした日のカーディガン、走らなくなった部活のジャージ。後悔を抱えた客を迎える一方で、早苗にも、補修の仕事や生活費、休む曜日を自分で決める暮らしがある。
近所のパン屋からもらった試作の好みを答えるだけでも、思ったより難しかった。

やがて早苗は、元夫と離婚の話を始めた日に着ていたブラウスを取り出す。
あの日を変えたら、いまの自分はどこへ行くのだろう。

【主な登場人物】
水野早苗(みずの・さなえ)――三十五歳。衣料品店での接客・補修受付の経験を生かし、部屋付きの店を一年管理する。
三枝匡史(さえぐさ・まさふみ)――三十三歳。近所のパン屋。家業を継ぐか、自分の店を持つか迷っている。
水野千鶴(みずの・ちづる)――六十六歳。早苗の叔母で店の所有者。療養中も早苗の質問へ答える、七番機の経験者。
第1章 一着目の昨日
第2章 言葉の届き方
第3章 戻らないために
第4章 同じ結末、違う道
第5章 今日着る服
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