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『明けの剣 ―幕末の侍、君と生きる―』

作者:ふみひろ
最新エピソード掲載日:2026/11/03
幕末。

戦乱の世を、一人の侍が生きていた。

名は、榊原朔。

新政府側の兵として戦場に立ち、これまで幾人もの人間を斬ってきた。

人を斬ることに慣れたわけではない。

ただ、生き残るために刀を振るってきた。

そんな朔が、ある日、町医者の娘・千代と出会う。

「あなた、馬鹿ですね」

初対面でそう言われた朔は、なぜかその女のことが気になって仕方がない。

戦場では恐れられる男。

けれど、千代の前ではどうにも不器用。

やがて二人は互いに惹かれ合い、朔にとって初めて「帰りたい」と思える場所ができていく。

しかし、時代は二人を待ってはくれなかった。

戦場へ向かった朔は、何度も死の淵をさまよう。

そしてある戦いで消息を絶つ。

千代のもとに届いたのは――

「榊原朔は戦死した」

という知らせだった。

それから数年。

時代は幕末から明治へと変わっていた。

千代には、彼女を支えてくれる新しい男がいた。

優しく、誠実で、もう二度と大切な人を失いたくない千代にとって、安心できる存在。

千代は朔を忘れようとする。

そして、別の人生を歩き始めようとした。

その頃。

死んだはずの男が、再び町へ帰ってくる。

生きていた。

しかし、朔が帰ってきたとき、千代にはもう婚約者がいた。

失った恋。

取り戻した命。

そして、二人の間に立ちはだかる新しい人生。

人を斬ることでしか生きられなかった侍は、最後に何を選ぶのか。

これは、幕末の動乱を生き抜いた一人の侍と、一人の女性が、もう一度人生を重ねていく物語。
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