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「冷酷」と噂の大公様は誰の顔も覚えられない。なのに私だけ、一度も間違えないのです

作者:フクベェ
最終エピソード掲載日:2026/07/23
伯爵家の次女セラフィーナは、器量よしの妹の「予備」として育てられた。政略の駒として差し出された嫁ぎ先は、挨拶した貴族の顔さえ忘れるという「冷酷無情の氷大公」アルデヴァルト。
けれど輿入れの日、彼は着飾った妹ではなく、地味な私を一目で「妻はそちらだ」と言い当てた。
嫁いだ夜に知る、大公の秘密。彼は冷酷なのではない。誰の顔も——昨日会った人間の顔さえ、覚えられないのだ。
明日には妻の顔も忘れる夫との、形だけの白い結婚。そのはずだった。なのに彼は、着飾った令嬢の群れの中でも、仮面の夜会でも、入れ替わりを企んだ妹の隣でも、私だけを一度も間違えずに見つけ出す。
「君の顔は分からない。それでも君を間違えることは、決してない」
どうして、私だけ。
その答えを知るとき、取り替えのきく娘だった私は、この世でただひとりの「見つけられる人」になる。秘密を狙う政敵と、娘を道具としか見ない実家には、静かに決着を。
溺愛シリアス、全30話。毎日更新・六日目の朝に完結します。
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