望郷のプエッラ〜ある伯爵令嬢の憂鬱〜

　本性はいつだって、後になってからしか分からない。優しく見える人が善人だという保証はない━━。
　日本人として生きた前世を持つ、伯爵令嬢ソフィー・フロレンスは、誰にも言えない郷愁に蓋をして生きてきた。けれども、この世界の空を見るたびに心が乱れる。ふたつの世界の空は、あまりに違いすぎた。家族に言われるまま閉じこもって暮らしてきた、そんな折、謎めいた美貌の公爵との見合いをきっかけに、ソフィーは社交界へと足を踏み入れる。
　六年前の殺人事件、美貌の公爵の黒い噂、共犯関係の幼馴染の誘い、シスコン気味の兄の干渉、友人たちの悩み、前世を持つ男との出会い……沢山のものに翻弄されながら、ソフィーは少しずつ、成長し、自分自身を知ってゆく。

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ボーイズラブも保険です。
「人は多面体」「人は時に嘘もつく」と考えているので、台詞で本音を言わせすぎないように心がけています。
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