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褪せない青の作り方を、この時代でわたしだけが知っています ~ルネサンス転移した修復士の顔料革命~

作者:湊涼
最新エピソード掲載日:2026/10/28
美大で絵画修復を学んでいたわたし——立花澪は、ある日、五百年前のヴェネツィアに飛ばされた。
言葉も身元もないまま拾われ、「レナータ」と名を与えられ、朽ちた聖堂の壁画修復を任される。
そこでわたしは、ありえない青に出会う。幾百年も壁の中に塗りこめられていたとしか思えぬのに、褪せも濁りもしない青。
——その作り方を、この時代でわたしだけが知っている。魔法でも奇跡でもない。ラピスもいらない。いつか、はるか未来に人が再発見するはずの色だ。なのに、なぜ、もうここにある?
……とはいえ、知っているのは「作れるはず」という方向だけ。正しい配合も、当時の窯も、わたしにはない。
そして、それを描いた絵師の名は、隅から刃物で削り取られていた。

奇跡を作った者を、奇跡ごと消せる力を持つ誰かがいた。そして、たぶん、今も。
顔料商の青年、青を独占する大商会の跡取り——交わるはずのなかった三人が、ひとつの色をめぐって出会う。
これは、消された奇跡を証明しようとした、よそ者の話。
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