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婚約破棄してわたくしを追放するのは結構ですが、殿下の後ろにいる女は人間ではありません

作者:速水静香
最新エピソード掲載日:2026/10/26
「アリシア・シャーロット・アシュフォード。貴様との婚約を破棄する」

 春の祝賀会で、わたくしは王太子殿下から婚約破棄を告げられました。
 けれど正直に申し上げますと、殿下のお言葉は、まともに聞いておりませんでした。
 だって殿下の後ろに、長い髪で顔を隠した白いワンピースドレスを着た女の方が立っていらっしゃったのですもの。

 わたくし、魔法はひとつも使えません。そのかわり、『それ』が視えます。そして、前世は霊能力者でございました。

 そんな、わたくしの追放先は、送られれば死罪に等しいと誰もが恐れる、呪いの『人形の館』。

 それを聞いて、わたくしが思わず口にしたのは――。

「ようやく、本物の悪霊を拝見できますわね」
「お嬢様、お支度を始めます」

 同じく視える専属メイドのマリアは、いつもと変わらぬ手つきで、旅行鞄をご用意しています。なんと、マリアも一緒に来てくれるそうです。
 そして、館では呪いのお人形さんと暮らすことに!
 前世で聞いた怪談そっくりの悪霊の皆様に、わたくし、今日も嬉々として会いに参ります。
 うふふ。時代は悪霊かもしれませんわ!
第一章:婚約破棄と追放
第二章:人形の館
第三章:口裂け女
第四章:コトリバコ
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