世界支配―誰にも見られなかった俺、人の心が読めるようになったので、会社から国までぜんぶ乗っ取ることにした―
最新エピソード掲載日:2026/11/02
朝の通勤電車で、隣の男の声が聞こえた。
口は閉じたままだった。
宍戸恭司、三十四歳。業務用資材の卸会社「伊庭興産」の総務課、主任。
独身。怒鳴られても笑って頭を下げるのが、十二年間の仕事だった。
心が読める。手を使わずに物が動く。人の気持ちを、少しだけ大きくできる。
試しに、課長の頭の中の不安を、毎日少しずつ大きくしてみた。
十日目、課長は自分の不正を、泣きながら白状した。
だから決めた。
まずは、この会社をもらう。
次は、会社の金を吸っているヤクザの組をもらう。
その次は、街を。国を。世界を。
使うと体が冷える。甘いものがないと、指が動かなくなる。
それでも、彼は一度もためらわない。
正義の味方は来ない。来たとしても、彼には心の声が聞こえる。
――ただひとり、何も聞こえない刑事を除いて。
※暴力・脅迫・犯罪の描写があります。主人公は最後まで改心しません。
口は閉じたままだった。
宍戸恭司、三十四歳。業務用資材の卸会社「伊庭興産」の総務課、主任。
独身。怒鳴られても笑って頭を下げるのが、十二年間の仕事だった。
心が読める。手を使わずに物が動く。人の気持ちを、少しだけ大きくできる。
試しに、課長の頭の中の不安を、毎日少しずつ大きくしてみた。
十日目、課長は自分の不正を、泣きながら白状した。
だから決めた。
まずは、この会社をもらう。
次は、会社の金を吸っているヤクザの組をもらう。
その次は、街を。国を。世界を。
使うと体が冷える。甘いものがないと、指が動かなくなる。
それでも、彼は一度もためらわない。
正義の味方は来ない。来たとしても、彼には心の声が聞こえる。
――ただひとり、何も聞こえない刑事を除いて。
※暴力・脅迫・犯罪の描写があります。主人公は最後まで改心しません。
第1話 「満員電車で、全員の本音が聞こえた」
2026/10/10 20:20
(改)
第2話 「十円玉は、指を触れずに動いた」
2026/10/10 20:30
(改)
第3話 「みんな、俺を便利な置物だと思っていた」
2026/10/10 20:40
(改)
第4話 「俺の企画書は、課長の手柄になっていた」
2026/10/10 20:50
(改)
第5話 「課長の引き出しから、領収書が一枚落ちた」
2026/10/10 21:01
(改)
第6話 「社長秘書だけが、俺を見ていた」
2026/10/11 13:45
(改)
第7話 「課長の不安を、ほんの少し大きくしてみた」
2026/10/11 14:20
(改)
第8話 「植木に水をやるだけで、会社の秘密がわかった」
2026/10/11 20:10
(改)
第9話 「ただ一人の友人は、俺を本気で心配していた」
2026/10/12 20:10
(改)
第10話 「十日目、課長は泣きながら白状した」
2026/10/13 20:10
(改)
第11話 「『棚ぼた』と笑うやつらの本音」
2026/10/13 20:10
(改)
第12話 「社長の頭の中は、見栄と怯えでいっぱいだった」
2026/10/14 20:10
(改)
第13話 「毎月九百万円が、ヤクザに流れていた」
2026/10/15 20:10
(改)
第14話 「社長秘書が、取引を持ちかけてきた」
2026/10/16 20:10
(改)
第15話 「迷う社長の耳もとで、一言だけささやく」
2026/10/17 20:10
(改)
第16話 「総務の置物が、社長室長になった」
2026/10/18 20:10
(改)
第17話 「会長の頭の中だけは、静かだった」
2026/10/19 20:10
(改)
第18話 「蕎麦屋で、会長に三つの問いを出された」
2026/10/20 20:10
(改)
第19話 「使いすぎた。指が冷え、鼻血が出た」
2026/10/21 20:10
(改)
第20話 「専務に『助かる道』を見せてやった」
2026/10/22 20:10
(改)
第21話 「罪を着せる」
2026/10/22 20:10
(改)
第22話 「『おまえなんだろ』と友人は言った」
2026/10/23 20:10
(改)
第23話 「何パーセントあれば、会社は奪えるか」
2026/10/24 20:10
(改)
第24話 「七回忌の料亭で、親族を寝返らせる」
2026/10/25 20:10
(改)
第25話 「銀行の支店長が隠していた三億円」
2026/10/26 20:10
(改)
第26話 「『おまえは、何者だ』と会長は訊いた」
2026/10/27 20:10
第27話 「会長を降ろす取締役会」
2026/10/28 20:10
第28話 「会長の最後の反撃」
2026/10/29 20:10
第29話 「平社員だった男が、社長になった」
2026/10/30 20:10
第30話 「会長が倒れ、心の読めない刑事が来た」
2026/10/31 20:10
第31話 「刑事は、俺の砂糖の数まで知っていた」
2026/11/01 20:10
第32話 「九百万円の行き先は、湊浜の港だった」
2026/11/02 20:10