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この作品には 〔ガールズラブ要素〕〔残酷描写〕が含まれています。

雛代の箱庭

作者:N
最新エピソード掲載日:2026/05/03
私は蔵の裏にしゃがみこんでいた。

覗くつもりなんてなかった。
ただ、通り過ぎるはずだったのに。

中では村の女たちが、無言で針を動かしていた。

母もいた。

いつもより背を丸めて、
金の模様をひとつずつ貼り付けていた。

貼っては離れて見て
少し曲がっていると、また剥がしてやり直す。

その隣で別の人が袖の裏に布を継いでいた。
表から見えないように、
縫い目を何度も指で押さえて、隠すみたいに。

「……これで、いいかね」

誰かが小さく言う。

「神さまに出すんだから」
別の声がすぐに返した。
「みっともないのはだめだ」

でも、その声は強くなかった。
自分たちに言い聞かせているみたいだった。

私はそのとき初めて知った。

あれは、私のために作られていた。

——私に着せるために。

私は音を立てないように、そっと離れた。

何も知らないふりをして、
次の日も、いつも通り「いい子」でいた。

そして私は山神鎮撫の雛代として生贄になった。
1話
2026/02/22 07:36
2話
2026/02/22 23:03
3話
2026/02/22 23:12
4話
2026/02/23 06:00
5話
2026/02/23 06:00
6話
2026/03/25 16:47
7話
2026/03/25 16:54
8話
2026/03/25 17:08
9話
2026/03/25 17:09
10話
2026/04/12 07:40
11話
2026/04/12 07:41
12話
2026/04/12 07:47
13話
2026/04/12 07:48
14話
2026/04/15 21:21
15話
2026/04/15 21:22
16話
2026/04/15 21:23
17話
2026/04/15 21:24
18話
2026/04/15 21:25
19話
2026/04/21 02:00
20話
2026/04/21 02:01
21話
2026/04/21 02:02
22話
2026/05/03 18:45
23話
2026/05/03 18:46
24話
2026/05/03 18:48
25話
2026/05/03 18:51
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