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コンロボと黄金の朝

作者:佐々木勇二
最終エピソード掲載日:2026/05/15
 近未来の地方都市に暮らす高校生・竹内には、毎朝困ったことがある。通学路の角を曲がると、市のインフラ管理ロボット――丸い胴体にどんぐり頭、胸のランプを無意味に点滅させる小型機「コンロボ型」が待ち構えているのだ。便通を聞いてくる。通学を補助すると言い張りついてくる。否定は困難です、と誇らしげに言う。竹内は今日も、朝から尊厳を地域に開示される。
 そんな変な日常に、ある春の朝から「黄金の鳩」が加わった。全身が金属光沢を帯びた鳩が一羽、また一羽と街に増えていく。続いて上空に現れる銀色のUFO群。SNSは騒然となり、テレビは「宇宙人の先行調査か」と煽り立てる。だが竹内の目に映るそれらは、降り立った先でひたすら雑草を抜き、排水溝を清掃し、街路樹の根元のゴミを回収していた。
 写真部の副部長・桐島先輩、窓の外をいつも静かに見ている同級生の今村さん、机を片手で飛ばすクラス管理アンドロイドの七瀬。竹内の周りには気づけばいつも誰かがいて、気づけばいつも何かが起きている。そしてコンロボ型は言う。「竹内様の行動範囲で、都市維持効率が上がります」と。
 街全体の環境維持システムが過負荷を起こし、UFO群が一斉に降下した日。騒然とする人々の前に立った竹内は思い出す。コンロボ型がかつて言った言葉を。「インフラ管理業務は、完了して初めて透明になります」――。
 本作は、少し変な街で普通に生きようとする高校生と、その周りに自然と集まる人間と機械の、騒がしくて温かい日常を描く青春SFコメディです。異常を日常に戻すことが一番難しく、そして一番大切だと気づくまでの物語。
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