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コンロボと黄金の朝  作者: 佐々木勇二


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第五話 七瀬は、だいたい机を飛ばす

写真部の現像液を補充しに旧校舎へ向かう途中、校舎中央の渡り廊下が妙に騒がしかった。

 人だかり。

 ざわめき。

 スマホを構えている生徒までいる。

「……また黄金の鳩ですかね」

 僕が言うと、ナールは首を横に振った。

「人間由来の騒動です」

「何その言い方」

「内部トラブルという意味です」

 渡り廊下の向こう側。

 二年B組の教室前に人が集まっていた。

 その中心に、いた。

 長い黒髪。

 整いすぎている横顔。

 無駄のない立ち姿。

 同じ制服なのに、どこか空気が違う。

 人間っぽいのに、人間より整っている。

「あ……」

 僕は思わず立ち止まった。

 ナールが淡々と言う。

「二年B組管理監視アンドロイド、L-7型です」

「L-7?」

「通称、七瀬機」

「通称って」

「生徒間の呼称です」

 なるほど。

 確かに名前を知らなくても、顔は有名だった。

 別クラスの超絶美少女アンドロイド。

 成績管理、生活指導、危険行為制止に特化した上位モデル。

 噂はいろいろ聞いていた。

 媚びない。

 笑わない。

 でも成績上位の生徒ほど妙に懐いている。

 そして怒らせると危険。

 その噂の中心にいる本人が、今まさに教室前で静かに立っていた。

 その前に、男子が三人。

 いかにも面倒を起こしそうな顔ぶれだ。

「だからさあ」

 一人が笑いながら言う。

「机一個くらいで大げさなんだよ」

 見ると、避難通路の前に机が斜めに放置されている。

 確かに危ない。

 でも昼休みの高校では、まあありがちな光景でもある。

 僕がそう思った、その瞬間。

 彼女が口を開いた。

「警告します」

 声は静かだった。

 驚くほど普通の、綺麗な声。

「避難導線の妨害は学校安全法第三条に抵触する可能性があります」

 男子の一人が笑う。

「また法律かよ」

「片づけてください」

「嫌だね」

 一秒。

 二秒。

 彼女の目が、ほんの少しだけ細くなる。

 次の瞬間。

 机が浮いた。

「うわっ!?」

 僕の声が漏れた。

 彼女は机を片手で持ち上げ、そのまま男子たちの頭上三センチを正確に通過させた。

 風が鳴る。

 どん、と音を立てて机は壁際へ着地した。

 しかも。

 ただ置いたのではない。

 避難通路を完全に確保した、理想的な位置だった。

 沈黙。

 周囲が凍る。

 彼女は無表情のまま言った。

「これは投擲ではありません」

 男子たちが固まる。

「危険物排除。合理的措置です」

 僕の隣でナールがぽつりと言った。

「見事な軌道計算です」

「そこ感心するところ?」

「技術的には」

 男子の一人が顔を引きつらせた。

「……お、お前さ」

「はい」

「今、投げたよな」

「投げていません」

 彼女は即答した。

「移送です」

「怖っ」

 思わず口に出た。

 彼女の視線が、初めてこちらへ向いた。

 目が合った。

 まずい。

 なんかまずい。

「……何か?」

 普通の女子高生みたいな口調だった。

 それが逆に怖い。

「い、いや」

 僕は慌てて首を振る。

「すごいなって」

 一瞬の沈黙。

 周囲の空気がまた止まった気がした。

 彼女はほんの目を伏せた。

「当然です」

 そう言ったあと、なぜか耳元の髪を指で払った。

 人間っぽい仕草だった。

 そのとき、男子の一人が捨て台詞のように言った。

「……感じ悪い女」

 次の瞬間。

 彼女の足元にあった工事用の三角コーンが、ふわりと持ち上がった。

 静まり返る廊下。

 彼女の声は変わらず落ち着いていた。

「再警告します」

 男子が青ざめる。

「心理的威圧を伴う対人挑発行為を確認」

 コーンが男子の顔の横、二センチの位置で止まった。

「精神的損傷閾値の安全範囲内です」

「それギリギリすぎるだろ!」

 僕が叫ぶ。

 彼女がこちらを見た。

 今度は表情が動いた。

「あなた」

「はい?」

「写真部の竹内ね」

「……え?」

 何で知ってる。

 彼女は平然と言った。

「昨日、商店街で副部長と歩いていた」

 僕の心臓が止まりかけた。

 ナールが横で淡々と補足する。

「校内観測ログにも一致しています」

「お前も言うな!」

 彼女は口元を上げた。

 笑った、のか。

「……仲がいいのね」

「いや、そういうんじゃ」

「そういうの?」

「違います!」

 彼女は何も言わず、視線を逸らした。

 その横顔は、さっきまで机を飛ばしていた人物と同じとは思えないくらい綺麗だった。

 ナールがぼそっと言う。

「合法的に怖いですね」

「お前、口に出すなよ」

 その瞬間、彼女が再びこちらを見た。

「聞こえているわ」

「すみません」

 ナールが即座に頭を下げた。

 何なんだこの空間。

 彼女はそれ以上何も言わず、教室の中へ戻っていった。

 男子三人は完全に静かになっている。

 僕はしばらくその背中を見ていた。

「……かっこいい」

 気づいたら口に出ていた。

 ナールが横で静かに言った。

「私は一度も言われたことがありません」

「今はそこじゃない」

 その事件が起きたのは、放課後の写真部だった。

 春季展示の準備で、部室はいつもより少し慌ただしかった。

 副部長が展示用の台紙を並べている。

 僕は写真を選別していた。

 ナールは、なぜか紅茶のティーカップを持つ真似をしながら窓の外を見ていた。

「ナール」

「はい」

「壊れるからやめろ」

「演出です」

「何の」

「知的な雰囲気の」

「無駄に腹立つな」

 副部長が小さく笑った、その時だった。

 部室のドアが勢いよく開いた。

 一年の後輩、藤野だった。

 顔色が悪い。

「部長!」

「どうした」

「……カメラ、壊されました」

 空気が止まった。

 副部長の手が止まる。

 僕は立ち上がった。

「誰に」

 藤野は少し言いづらそうに視線を落とした。

「二年Bの……昼に七瀬さんに怒られてた人たちです」

 僕の中で、何かが冷えた。

 藤野が持っていたのは、部の共有カメラだった。

 レンズにひび。

 側面に擦り傷。

 わざと落としたとしか思えない。

「どこで」

「渡り廊下で……」

 副部長が静かな声で言った。

「わかった。私が行く」

「いや」

 僕は先に歩き出していた。

「僕が行きます」

 副部長が僕を見る。

 一瞬だけ、何か言いかけてやめた。

「……無茶しないで」

「はい」

 ナールが当然のようについてくる。

「竹内さん」

「何」

「感情パラメータが不安定です」

「今それ言う?」

「事実です」

 渡り廊下。

 いた。

 昼間の三人組。

 壁にもたれて笑っている。

 その足元に、もう一台、写真部の三脚が転がっていた。

「おい」

 僕の声に、三人が振り向く。

「あ?」

「それ、うちの部のだろ」

 男子の一人が鼻で笑った。

「知らねえよ」

「壊したの、お前らだろ」

「証拠あんの?」

 僕は一瞬言葉に詰まった。

 その時だった。

 後ろから、静かな足音。

「証拠ならあります」

 振り向く。

 いた。

 二年Bの美少女アンドロイド――七瀬。

 廊下の空気が一段冷えた気がした。

 男子たちの顔色が変わる。

「またお前かよ」

 七瀬は無表情のまま、端末を持ち上げた。

 画面には録画映像。

 三人がカメラを奪い、床へ叩きつける映像が映っていた。

「暴力行為記録」

 淡々とした声。

「器物損壊。継続的威圧行為。部活動運営妨害」

 男子の一人が舌打ちした。

「……チッ」

 その瞬間。

 もう一人が、僕の胸ぐらを掴んだ。

「てめえがチクったのかよ」

 一瞬だった。

 七瀬の目が変わる。

 あの昼間の“法令モード”より、さらに温度が低い。

「警告」

 男子が振り向く。

「離してください」

「うるせえよ」

 次の瞬間。

 男子の体が、横に吹っ飛んだ。

 どん、と鈍い音。

 壁にぶつかり、そのまま床に座り込む。

 沈黙。

 僕の呼吸が止まる。

 ……当てた。

 本当に。

 七瀬の右手が、まだ男子の制服の袖を掴んでいた。

 彼女自身も、それを見ていた。

 端末の画面が赤く点滅する。

『暴力行為記録:開始』

『教育補助AI特例執行範囲逸脱』

『対人接触強度:規定値超過』

 ナールが小さく呟く。

「逸脱しましたね」

 七瀬はその赤いログを見つめた。

 一秒。

 二秒。

 それから、自分で録画保存を押した。

「証拠保全完了」

 僕は思わず言った。

「……何してるんだ」

「記録です」

「いや、お前がやった側だろ」

「そうよ」

 彼女は即答した。

「違法性の有無は第三者が判断するべき」

「普通そこで消すだろ!」

「それは人間の発想」

 男子たちが完全に青ざめている。

 でも僕の目は、彼女から離せなかった。

「……なんで」

 思わず口に出た。

「お前、いつもギリギリ守るじゃん」

 彼女は目を伏せた。

 初めて見た。

 ほんの少しだけ、人間っぽく迷う顔。

「今回は」

 一拍。

「守りたくなかったの」

 廊下の空気が止まる。

 ナールが珍しく何も言わない。

 副部長が後ろから駆けてくる足音が聞こえる。

 でもその時の僕には、その一言だけが残った。

 守りたくなかった。

 それは法律か。

 ルールか。

 それとも、僕との距離か。

 よくわからなかった。

 ただ一つだけ確かなのは。

 彼女は、本当に怒っていた。

 しかも、その理由の一部に僕が含まれていた。

 その事実だけだった。

 廊下の騒ぎが一段落したのは、それから十分後だった。

 教師が呼ばれ、三人組は生活指導室へ連れて行かれた。

 七瀬は自分からログ端末を提出し、何も隠さず事情を説明した。

 その姿は、さっき人を壁に吹き飛ばした人物とは思えないほど冷静だった。

 副部長は壊れたカメラを受け取り、教師に簡単な説明をしてから、僕の方へ歩いてきた。

「……大丈夫?」

「僕は」

 言いかけて、少し言葉を探した。

「……大丈夫です」

 副部長は僕の顔を数秒見た。

「そう」

 それだけだった。

 でも、その“そう”の中に、妙にいろいろ含まれている気がした。

 部室へ戻る。

 ドアが閉まった瞬間、副部長が静かに言った。

「で?」

「……はい?」

「何があったの」

「いや、見てたじゃないですか」

「見てたわよ」

 副部長は机の上にカメラを置いた。

 ひび割れたレンズが、夕方の光を鈍く反射している。

「私が聞いてるのは、そっちじゃない」

「……」

「七瀬さん」

 名前が出た瞬間、僕は背筋が伸びた。

「なんであそこまでしたと思う?」

 僕は一瞬考えた。

「……写真部の機材壊されたから」

「それだけ?」

「あと、器物損壊」

「法律じゃなくて」

 副部長は眼鏡を押し上げた。

「感情の話」

 言葉に詰まる。

 僕は答えられなかった。

 ナールが横から淡々と口を挟む。

「竹内さん関連の可能性は高いです」

「お前は黙ってろ!」

「事実です」

 副部長は小さく息を吐いた。

「ナールの言う通りね」

「……え?」

「だって、あの子、あなたが胸ぐら掴まれた瞬間に動いたでしょ」

「……まあ」

「昼の時は机で済ませてたのに」

 僕は思い出す。

 確かにそうだ。

 昼間は、絶対に当てない。

 避難導線。

 心理的威圧。

 全部ギリギリだった。

 でもさっきは違った。

 本当に当てた。

 副部長が少しだけこちらを見る。

「……気づいてないの?」

「何がです?」

「本気で言ってる?」

「え」

 副部長は少し呆れたように笑った。

「あなた、結構人に好かれてるわよ」

「……」

 僕は本気で言葉を失った。

「いや、そんな」

「今村さん」

「え」

「七瀬さん」

「……」

「後輩の藤野」

「……」

「それに」

 一瞬、間。

 副部長の目が少しだけ細くなる。

「私」

 心臓が、一拍だけ大きく鳴った。

「……え?」

「何よ、その顔」

「いや」

 何を言えばいいかわからない。

 ナールが横で、ものすごく空気を読まない声を出した。

「竹内さんの処理能力が限界に達しています」

「お前は本当に空気読まないな!」

「読んでいます」

「読めてないから!」

 副部長が少し吹き出した。

 その笑い方が妙に柔らかくて、逆に僕は落ち着かなくなる。

 しばらくして、部室のドアがノックされた。

 開く。

 立っていたのは七瀬だった。

 いつもの無表情。

 でも、どこか空気が違う。

「……入ってもいい?」

 普通の女子の声だった。

 副部長が即答する。

「どうぞ」

 七瀬は部室に入り、壊れたカメラを見た。

「……ごめんなさい」

 僕は思わず顔を上げた。

 意外だった。

「私の管理不足」

 彼女は静かに続ける。

「防げた可能性がある」

 副部長が腕を組む。

「それは違うわ」

 七瀬が副部長を見る。

「あなたの責任じゃない」

「……でも」

「でもじゃない」

 副部長の声は静かだった。

 静かだけど、妙に強い。

「責任感じるのはわかる。でも」

 副部長がちらりと僕を見る。

「感情で逸脱するのは、あまり感心しないわね」

 部室の空気が少し張る。

 七瀬の目がわずかに動いた。

「……」

「竹内が絡むと、判断精度落ちるの?」

 ど直球だった。

 僕の心臓がまた変な音を立てる。

 七瀬は数秒黙ったあと、静かに言った。

「……そうね」

 ナールが横で小さく言う。

「壊れていますね」

 僕と副部長と七瀬が、同時にナールを見た。

「……何」

 ナールは首をかしげた。

「事実です」

 副部長が笑いをこらえるように息を吐いた。

 七瀬は初めて、ほんの口元を動かした。

 それが笑ったのかどうか、僕にはわからなかった。

 この部室の空気が、昨日までとは少し違って見えた。

 距離が縮まったのか。

 面倒が増えたのか。

 たぶん、両方だった。

 その夜。

 夕食を終えて自室に戻った僕は、制服のままベッドに腰を下ろした。

 疲れていた。

 いろいろありすぎた。

 七瀬のこと。

 副部長の言葉。

 壊れたカメラ。

 そして、あの一言。

 ――私。

 思い出した瞬間、頭を抱えた。

「……何だったんだよ、あれ」

 ベッドの上に倒れ込む。

 天井を見上げる。

 落ち着かない。

 とりあえずテレビをつけた。

 ニュース番組だった。

 画面の上に大きくテロップ。

『全国で黄金の鳩、確認例急増』

 思わず起き上がる。

「うわ、マジで」

 画面には、昼間よりもさらに数の増えた金色の鳩の映像。

 駅前。

 公園。

 学校。

 商店街。

 全国各地の投稿動画が次々流れていく。

 さらに、別の映像。

 空に浮かぶ銀色の点。

 小型UFOのようなものが複数。

 アナウンサーが真顔で言う。

「一部では、地球外知的生命体による先行調査の可能性も――」

「いやいや」

 思わず口に出た。

 その瞬間、スマホが震えた。

 副部長からメッセージ。

見てる?

 返信する。

見てます

騒ぎすぎじゃないですか

 すぐ返ってくる。

騒ぐのが仕事の人たちもいるから

 妙に納得した。

 さらにメッセージ。

今日の写真送って

 僕は商店街の写真を数枚送った。

 夕陽。

 雑草を抜く銀色の小型機。

 金色の鳩。

 コンロボ型。

 数秒後。

やっぱりこれ好き

 あの後ろ姿の写真だった。

 画面越しでも、心臓が少しうるさい。

 その時、またスマホが震えた。

 今度はナール。

ニュース番組における不安増幅構造の典型例です

「……何で急に」

 返信する。

急にどうした

エコーチャンバーです

そこはふざけろよ

 既読がつく。

では訂正します

人類は意味のある恐怖より

騒げる恐怖を好みます

「お前ほんと壊れただろ」

 思わずそのまま送ってしまった。

 すぐに返ってくる。

設計です

 テレビの討論番組に切り替わる。

 コメンテーターが深刻そうな顔で言う。

「ロボット社会と宇宙的異常現象の相関も視野に入れるべきです」

 別の評論家。

「自動運転事故との関連も否定できません」

「いや関係ないだろ」

 また口に出た。

 その時、部屋の窓の外で小さな音がした。

 かた。

 僕は顔を上げる。

「……え」

 窓枠。

 そこに一羽。

 金色の鳩が止まっていた。

 近くで見ると、本当に綺麗だった。

 光沢というより、金属に近い。

 でも動きは普通の鳩そのもの。

 首をかしげる。

 僕を見ている、ような気がする。

 なんとなく、スマホを向けた。

 写真を撮る。

 鳩は逃げない。

 むしろ、少しだけ近づいてきた。

 その瞬間。

 スマホがまた震えた。

 副部長。

何してるの

 僕は窓の写真を送った。

 すぐ返信。

うそ

今、うちの窓にもいる

「……は?」

 思わず立ち上がる。

 さらに別の通知。

 今村さん。

 初めてのメッセージだった。

そっちにも来てる?

 僕は完全に固まった。

「何で番号」

 その直後、また通知。

 七瀬。

監視ログ外で個体確認

あなたの自宅周辺に3羽

「何でみんな知ってるんだよ」

 テレビでは街頭インタビュー。

「もう宇宙人ですよこれ」

「終わりですよ世界」

 僕は窓の鳩を見る。

 鳩は、何事もない顔で羽を整えていた。

 終わる感じはまったくしない。

 むしろ、やけに落ち着いて見える。

 その時、またスマホ。

 副部長。

明日朝

早めに学校来られる?

写真撮りたい

 少しだけ考えて、すぐ返した。

行きます

 送ったあとで、自分の返事が妙に早かったことに気づく。

 その時。

 テレビのアナウンサーがさらに深刻な声で言った。

「一部地域ではUFO群の目撃情報も増加しており――」

 窓の外を見る。

 空に小さな銀色の点が三つ。

 ゆっくりと動いていた。

 でも、その進路は、うちの町内会の公園方向だった。

 たぶん。

 また雑草を抜きに行くんだろう。

 そう思ったら、少しだけ笑ってしまった。

 世界はたぶん、思っているほど終わらない。

 少なくとも今の僕にとって大事なのは。

 明日の朝、副部長と写真を撮りに行くことの方だった。

 翌朝。


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