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コンロボと黄金の朝  作者: 佐々木勇二


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第四話 窓際の邪魔は、だいたい事故になる

典の授業中。

 事件は起きた。

 僕は窓の外を見ていた。

 春の風で校庭の木が揺れている。

 金色の鳩が、今日は六羽。

 昨日よりまた増えている。

 その一羽が、校舎の窓枠に止まった。

 思わず、少し身を乗り出した。

 その瞬間。

 後ろから、机の脚が軽くぶつかった。

 かたん。

 僕の椅子が少し前へずれる。

「……っ」

 振り返る。

 今村さんだった。

 いつもより少しだけ眉が寄っている。

「……見えない」

 小さな声だった。

「え?」

「外」

 僕は固まった。

「あ……」

 そういうことか。

 本当に、邪魔していた。

「ご、ごめん」

 慌てて姿勢を戻す。

 今村さんは一瞬だけこちらを見て、それからまた窓の外へ視線を向けた。

 でも。

 ほんの少しだけ。

 口元が笑っていた気がした。

 授業後、僕はそのことを副部長に話した。

 すると副部長は腕を組んで、完全に面白がっている顔をした。

「ほらね」

「……はい」

「怒ってたわけじゃないじゃない」

「……はい」

 ナールが横から淡々と言う。

「竹内さんは、都合の悪い可能性を優先して想定する傾向があります」

「性格分析するな」

「心理学的には一般的です」

「それを一般的って言われるとちょっと安心するな」

 副部長がふっと笑う。

「安心してる場合じゃないわよ」

「え?」

「そのうち、本当に誰か怒らせるわよ」

「……誰を」

 副部長は眼鏡の奥で目を細めた。

「さあね」

 その言い方が妙に意味深で、僕はまた落ち着かなくなった。

 その日の昼休み。


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