地図から消えた故郷と、帰るところがない僕たち
最新エピソード掲載日:2026/10/10
七年ぶりに故郷へ帰ろうとして、高瀬湊は道を見失った。
道を間違えたわけではない。
村へ続く道そのものが、なくなっていた。
地図にもない。
住所もない。
役所の記録にもない。
近隣の住民に尋ねても、誰一人として村の存在を知らない。
――芦倉という村は、最初から存在しなかったことになっている。
それでも湊には、確かに記憶がある。
祖父母の家。
夏に泳いだ川。
祭りの夜。
村へ入る道に立っていた、奇妙な鳥の印。
消えた故郷の痕跡を追う湊は、遠く離れた土地の古文書に同じ印を発見する。
そして旅の途中、ひとりの少女と出会った。
「……遅かったね」
ナギと名乗るその少女は、自分でもその言葉の意味を知らなかった。
二人が辿る先には、日本各地に残された奇妙な風習があった。
死者を出した家では、三日間、戸を閉めてはいけない。
ある橋では、決して川を覗き込んではいけない。
名前を呼んではならない夜がある。
迷信として忘れられつつあるそれらには、かつて人々が知らず知らず触れていた、この世界の「理」が残されていた。
なぜ、芦倉だけが世界から消えたのか。
なぜ、湊だけが村を覚えているのか。
そして――ナギは、なぜ芦倉を知っているのか。
失われた故郷へ帰るため、二人は日本を巡る。
道を間違えたわけではない。
村へ続く道そのものが、なくなっていた。
地図にもない。
住所もない。
役所の記録にもない。
近隣の住民に尋ねても、誰一人として村の存在を知らない。
――芦倉という村は、最初から存在しなかったことになっている。
それでも湊には、確かに記憶がある。
祖父母の家。
夏に泳いだ川。
祭りの夜。
村へ入る道に立っていた、奇妙な鳥の印。
消えた故郷の痕跡を追う湊は、遠く離れた土地の古文書に同じ印を発見する。
そして旅の途中、ひとりの少女と出会った。
「……遅かったね」
ナギと名乗るその少女は、自分でもその言葉の意味を知らなかった。
二人が辿る先には、日本各地に残された奇妙な風習があった。
死者を出した家では、三日間、戸を閉めてはいけない。
ある橋では、決して川を覗き込んではいけない。
名前を呼んではならない夜がある。
迷信として忘れられつつあるそれらには、かつて人々が知らず知らず触れていた、この世界の「理」が残されていた。
なぜ、芦倉だけが世界から消えたのか。
なぜ、湊だけが村を覚えているのか。
そして――ナギは、なぜ芦倉を知っているのか。
失われた故郷へ帰るため、二人は日本を巡る。
芦倉は地図にない
2026/09/27 14:36
(改)
知らない道
2026/09/27 14:46
(改)
境の印
2026/09/27 14:50
(改)
戸を開けておく家
2026/09/28 22:28
(改)
家に残るもの
2026/09/28 22:29
(改)
戸返し
2026/09/28 22:30
(改)
誰もいない家
2026/09/29 12:54
境ではない場所
2026/09/29 12:54
坂井の家
2026/09/29 18:23
家を渡す
2026/09/29 18:59
動いていないもの
2026/09/29 19:32
深守はどこまでか
2026/09/29 20:29
二つある家
2026/09/29 20:46
残すもの
2026/09/29 22:00
東京を歩く
2026/09/29 23:00
(改)
住所録
2026/10/07 12:49
芦倉に住んでいない人
2026/10/08 23:59
岡山へ
2026/10/09 00:00
久世家
2026/10/09 00:01
交代
2026/10/10 00:49
(改)
約束の品
2026/10/10 00:49
帰れなかった人
2026/10/10 00:55
(改)
返事
2026/10/10 08:33
家を売る理由
2026/10/10 08:34
残してあるもの
2026/10/10 08:34
(改)
知らない客
2026/10/10 10:26