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世界の終わりは、明日も続きます。

作者:佐々木勇二
最終エピソード掲載日:2026/07/26
千年、棺の中で人の念だけを舐めて生きてきた名無しの吸血鬼は、謎の少女リラに「僕となれ」と命じられ、「カイ」の名を与えられる。狼男ドウジ、継ぎ接ぎの巨躯の執事フランを加えた王女一行が追うのは、人を植物へ作り変える侵略者「翡翠の侵食」。一方、寂れた遊園地を営む三人組――乗り物を変形させる相馬、球体から怪獣を生む凛、色を束ねて撃つユキ――は、住人十四人が茂みと化したアパートの調査で、同じ敵と行き合う。

侵食は静かに進む。定食屋の夫婦は「困ってないんです」と微笑んだまま緑の区域へ歩いて消え、落とされる旅客機を相馬は「乗客がいるからやらない」の禁を破って変形させ、受け止める。やがて博士が明かす。三人の職場である遊園地は、千年分の人の念が溜まる器「仏舎利」に、楽しさで栓をした「蓋」であり、三人の覚醒も依頼の数々も、すべて仕組まれていたと。リラが蓋の城を起動し、一行は先例を求めて西の海を渡る。鐘で栓をした街の地下には、三百年座り続ける人柱がいた。「この人に、訊いたんですか」――ユキの問いに、街は答えられない。

帰国後、侵食の尖兵である少年が器の繭を開き、緑の竜巻が街を呑み始める。フランが変じた金の龍とリラの光が渦を相殺し、相馬は腕の力の大半と引き換えに、最後のバスの乗客を救い出す。戦いの後、相馬は園の地下から出た古い名簿を開き、名を奪われた少年へ読み上げる。「高瀬はるか」。少年は初めて自分の名を口にし、去っていく。亡き友アヤの面影をリラに重ね続けたユキへ、リラは咄嗟に手を差し出し、そして下ろす。「なんでもないわ」。遊園地は今日も客ゼロのまま開いている。蓋は閉じるためではなく、開けて客を待つためにある。王女は箒を担ぎ、掃除場所の増えた園を、六人で歩き出す。
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