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紅月下のGloria

最新エピソード掲載日:2026/11/02
正義が命を奪う世界で、それでも生きる

四歳で故郷イルナから連れ去られ、侵略国ヴァルセナの兵士として育った十六歳のグロリア・レイス。十二年後、彼女は銃を手に故郷の国へ戻ってきた。

命令に疑問はあった。それでも、引き金は引けた。

ある夜、制圧した街の焼けた小屋で、グロリアは傷ついた少女ルナを見つける。家族も過去も忘れた六歳の少女は、水を求め、食べ物を欲しがり、ただ生きようとしていた。

下された命令は、少女の殺害。
けれど、「死にたくない」と泣くルナを前に、グロリアは銃を下ろす。

この子を生かす。
初めて自分で選んだその決意が、彼女を軍からの逃亡へ駆り立てた。

追跡するヴァルセナ軍。イルナの人々が向ける憎しみ。生まれた国にも、育った国にも戻れないグロリアは、ルナを背負って北を目指す。だが、守るために撃った相手にも、帰りを待つ誰かがいた。

生きるためなら、殺していいのか。
誰かを守れば、それで正しい人間になれるのか。

答えのない旅の中、少女の小さな手だけが、彼女から離れなかった。

これは、命令で人を殺してきた兵士が、たった一人と生きるために、自分の人生を選び始める物語。
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