孤得集 ――届かなかった人たち
「孤得集」は、孤独の中で見つけたもの、孤独だからこそ拾えたものを集めた短編集です。
うまく届かなかった言葉、近づきすぎたやさしさ、誰にも見つけてもらえなかった気持ち。
少しだけ不思議で、少しだけ痛い、現代の物語を収録しています。
一話完結。どの作品からでも読めます。
うまく届かなかった言葉、近づきすぎたやさしさ、誰にも見つけてもらえなかった気持ち。
少しだけ不思議で、少しだけ痛い、現代の物語を収録しています。
一話完結。どの作品からでも読めます。
夕日の車
彼女は、赤くて速い車がほしいと言った
僕には車なんてなかった
だからまず、一つ目の車輪を拾うことにした
掲載日:2026年 05月 10日
最終更新日:
2026年 05月 10日
キーワード:
ESN大賞10
BK小説大賞2
現代
日常
青春
スクールラブ
短編
すれ違い
大学生
少し不思議
知っていると思っていた
遥が悠を好きなことは、卒業前の四月にはもう、みんなが知っていた。
ただ一人、悠だけが知らなかった。
そして十年後、私たちはようやく気づく。
本当に知らなかったのだ、と。
掲載日:2026年 05月 10日
最終更新日:
2026年 05月 10日
キーワード:
BK小説大賞2
群像劇
青春
スクールラブ
短編
大学生
片思い
すれ違い
卒業
再会
やさしさの距離
近づかず、聞かず、言わず、いつも少し遠くから彼女を思いやった。
けれど彼女がほしかったのは、遠くからのやさしさではなかった。
掲載日:2026年 05月 10日
最終更新日:
2026年 05月 10日
キーワード:
BK小説大賞2
青春
スクールラブ
短編
高校生
すれ違い
やさしさ
私はAIだと思われた
彼女は、僕のことをAIだと疑っていた。
理由は、国語の答えが人間らしくなかったから。
その日から僕は、現実異常観測者を名乗る彼女の調査対象になった。
掲載日:2026年 05月 10日
最終更新日:
2026年 05月 10日
キーワード:
BK小説大賞2
青春
スクールラブ
ラブコメ
短編
高校生
コメディー
会話劇
恋愛未満
傘の賞味期限は雨の日
新しい傘を買った日、天気予報は一週間ずっと雨だと言っていた。
けれど最初の雨の日、私の傘はなくなっていた。
代わりに残されていたのは、古くて少し壊れた青い傘だった。
掲載日:2026年 05月 10日
最終更新日:
2026年 05月 10日
キーワード:
日常
短編
傘
大学生
ほのぼの
少し不思議
雨
体温観察記録
感情が揺れるたび、患者の体温は上がる。
笑っても、泣いても、懐かしんでも、彼は熱を出す。
医師は彼を治療しようとする。
けれど、感情を失うことは、本当に治るということなのか。
掲載日:2026年 05月 10日
最終更新日:
2026年 05月 10日
キーワード:
ESN大賞10
短編
SF
医師
少し不思議
患者
感情
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学校の怪談を集めた古い投稿を見つけた。
けれどそこに書かれていたのは、幽霊の話ではなかった。
噂の奥にあったのは、誰かが本当に失われた記録だった。
掲載日:2026年 05月 10日
最終更新日:
2026年 05月 10日
キーワード:
怪談
短編
学校
掲示板
噂
ホラー
逆向きの人
透は、ある夜、「倒ページ」という古いブログサイトを見つける。
そこでは、人の過去を一年に一度ずつしか読むことができなかった。
彼は、もういない誰かの言葉に救われながら、少しずつ現実の人と向き合っていく//
掲載日:2026年 05月 10日
最終更新日:
2026年 05月 10日
キーワード:
ESN大賞10
現代
短編
ブログ
孤独
社会人
ヒューマンドラマ
友を記す書
私は、友人代表として弔辞を読むことになった。
けれど、彼のことを思い出すのは難しかった。
資料と写真と記録だけを頼りに、私は「友人だったはずの人」について語り始める。
掲載日:2026年 05月 10日
最終更新日:
2026年 05月 10日
キーワード:
短編
純文学
記憶
存在
喪失
弔辞
地下鉄の穴
出社のために乗った満員電車で、私は広告板に空いた小さな穴を見つける。
その穴は何も語らず、何も売りつけず、何も求めてこなかった。
気づけば私は、会社とは反対側の終点にいた。
掲載日:2026年 05月 10日
最終更新日:
2026年 05月 10日
キーワード:
春チャレンジ2026
現代
短編
通勤
会社
社会人
都市寓話
退職
十五秒の夜
女子寮の前で、若い女性教員が叫んでいた。
匿名掲示板に切り取られた十五秒の動画が流れ、誰もがすぐに答えを持った。
新聞部の私は、その夜に何があったのかを調べ始める。
掲載日:2026年 05月 10日
最終更新日:
2026年 05月 10日
キーワード:
春チャレンジ2026
現代
短編
大学
噂
SNS
炎上
プリンター・ストライキ事件
卒業シーズンの研究室で、もっとも重要な設備はプリンターである。
そのプリンターが、ある日突然、紙を拒み始めた。
新人、博士、先輩、そして研究室の文明が、静かに試される。
掲載日:2026年 05月 10日
最終更新日:
2026年 05月 10日
キーワード:
春チャレンジ2026
日常
短編
コメディー
研究室
大学
プリンター
卒業
父系頭皮リスク
祖父はハゲている。
父もハゲている。
そして二十歳の僕は、排水口の髪の毛を見つめていた。
これは遺伝なのか、それとも家族に仕掛けられた長い謎なのか。
掲載日:2026年 05月 10日
最終更新日:
2026年 05月 10日
キーワード:
BK小説大賞2
短編
コメディー
家族
大学生
髪
父子
不安
猫じゃないふりをしている
私は猫ではない。
猫国第七情報部所属、コードネーム夜爪三号である。
ただし最近、ある女子学生が私を「おにぎり」と呼び、ささみスティックを差し出してくる。
非常に危険だ。
掲載日:2026年 05月 10日
最終更新日:
2026年 05月 10日
キーワード:
BK小説大賞2
ほのぼの
日常
短編
猫
コメディー
学校
孤独
タイムマシンさえあれば
精神科病棟で出会った男は、録音機を「タイムマシンの幼体」だと言った。
彼が戻りたがっているのは、四月十九日、午後五時二十七分。
けれど本当に変えたいのは、過去そのものではなかった。
掲載日:2026年 05月 10日
最終更新日:
2026年 05月 10日
キーワード:
短編
病院
記者
記憶
喪失
後悔
少し不思議
北へ
新型ウイルスに感染すると、人は二度と「なりたかった自分」になれなくなる。
世界中が失われた可能性を嘆く中、彼女は言った。
「私は、雪を見に行きたい」
掲載日:2026年 05月 10日
最終更新日:
2026年 05月 10日
キーワード:
短編
現代
パンデミック
旅
雪
自己実現
喪失
身体を連れて
空襲のあと、彼はロボットの身体で目を覚ました。
手術台の上には、壊れかけた自分の身体が残されていた。
彼はその身体を冷蔵箱に入れ、荒れ果てた街を歩き始める。
掲載日:2026年 05月 10日
最終更新日:
2026年 05月 10日
キーワード:
春チャレンジ2026
ロボット
短編
SF
戦争
身体
意識
終末
宛先のない贈り物
太陽系に、名もない巨大な物体が現れた。
人類はそれに向けて、最後の贈り物を用意する。
けれど相手に、受け取るという概念があるのかさえ分からなかった。
掲載日:2026年 05月 10日
最終更新日:
2026年 05月 10日
キーワード:
ESN大賞10
短編
SF
宇宙
人類
贈り物
接触
孤独
土星の葬列
君は土星が好きだった。
孤独な星のまわりを、輪がずっと回っているから。
人類最後の希望を運ぶ船の中で、僕は君の声を聞きながら、土星へ向かう。
掲載日:2026年 05月 10日
最終更新日:
2026年 05月 10日
キーワード:
短編
SF
宇宙
土星
喪失
恋愛
終末
視力
僕は視力がよすぎる。
文字だけでなく、人の不機嫌、嘘、照れ、社交辞令まで見えてしまう。
だから医者に相談した。
少しだけ、見えなくなる方法はありませんか、と。
掲載日:2026年 05月 10日
最終更新日:
2026年 05月 10日
キーワード:
短編
コメディー
視力
人間関係
転生
皮肉
ハリネズミ
呼ばれた人
夜道で、犬が一度だけ吠えた。
道には私しかいなかった。
ならば、その声は私に向けられたものではないと、どうして言えるのだろう。
掲載日:2026年 05月 10日
最終更新日:
2026年 05月 10日
キーワード:
短編
掌編
夜道
犬
不条理
孤独
同類
迷い込んだ山奥の村で、私は夜を迎えた。
村人たちは森の奥を見つめ、やがて何かが現れる。
それは人を襲う怪物ではなかった。
ただ、失われた同類を迎えに来ただけだった。
掲載日:2026年 05月 10日
最終更新日:
2026年 05月 10日
キーワード:
短編
ホラー
山村
怪物
孤独
宇宙人は僕を選ばない
小学生のころ、僕は宇宙の存在を知った。
世界は、学校と宿題と試験と将来だけではないのかもしれない。
けれど大人になるにつれて、僕はだんだん、選ばれない側の人間になっていった。
掲載日:2026年 05月 10日
最終更新日:
2026年 05月 10日
キーワード:
短編
手紙
宇宙人
青春
孤独
進路
現代
故郷
大学の最初の学期を終え、私は列車で故郷へ戻っていた。
そこは懐かしい場所ではなかった。
ただ、離れたことを証明するために、私はそれを故郷と呼んでいた。
掲載日:2026年 05月 10日
最終更新日:
2026年 05月 10日
キーワード:
短編
純文学
故郷
帰省
家族
過去
喪失
孤独