傘の賞味期限は雨の日
新しい傘を買った日、天気予報はこの先一週間ずっと雨だと言っていた。
それは憂うつな知らせに聞こえるけれど、新しい傘を買ったばかりの人間にとっては、まったくそうではない。
新しい傘は濃い青色だった。ワンタッチ式で、骨はしっかりしていて、開くと布にきれいな丸みができた。
寮へ帰る道では、もう空が曇っていた。雲は低く、風には湿った匂いが混じっていた。
私は新しい傘をリュックの脇ポケットに差し、かなり機嫌がよかった。
最初の雨はすぐに来た。
午後の授業前、雨が急に降り出した。窓は雨粒にぱちぱちと叩かれ、先生は教壇で熱心に話していたけれど、下の学生たちはみんなこっそり外を見ていた。
大学生が雨にどれくらい敏感になるかは、だいたい自分が傘を持っているかどうかで決まる。
私は持っていた。だから落ち着いていた。
授業が終わると、みんなが入口に集まって傘を取った。傘立てには黒、青、灰色、透明の傘が入り交じっていた。
私は自分の濃い青色の新しい傘を取ろうと手を伸ばした。
なかった。
もう一度探した。
やっぱりなかった。
傘立てに残っていたのは、一本の古い傘だけだった。
それも青かった。
けれど、私の青ではなかった。
その青は灰色がかった青に褪せていて、持ち手には黒いビニールテープが巻かれ、布には小さな継ぎ当てがあり、先端は少し曲がっていた。開くのも半拍遅く、まるで朝から寝起きの悪い人みたいだった。
教室にはもう誰もいなかった。
雨はまだ降っていた。
私は入口に立って、その古い傘と数秒見つめ合った。
最後に、私はそれを手に取った。
開くと、「カッ」と音がした。
新しい傘の、あの澄んだ「カッ」ではない。
いろいろなことを経験したあとで、それでもなんとかこちらに合わせてくれるような「カッ」だった。
私はそれを差して雨の中へ出た。
継ぎ当てのそばの細い隙間から、雨が漏れてきた。ぽた、ぽた、と律儀なリズムで落ちてきた。
その日、寮に帰ったころには、片方の肩がすっかり濡れていた。
私は古い傘をドアのそばに立てた。
先端から水がゆっくり床へ落ちていった。
それはそこに立っていた。どうして自分が来たのか、説明しようともしない招かれざる客みたいに。
翌日、私は同じ傘をもう一本買いに行った。
同じ濃い青色で、同じワンタッチ式で、同じように骨のしっかりした傘だった。
会計のとき、店員が私の顔を覚えていた。
「昨日も買いませんでした?」
私は言った。
「行方不明になったんです」
店員は私を一度見た。大学生活では何が起きてもおかしくない、とでも分かってくれたような目だった。
それ以上は何も聞かなかった。
二本目の新しい傘を持ち帰ると、私は持ち手に名前のシールを貼った。
電話番号も書いた。
書き終えると、少し大げさな気がした。でも必要なことだった。
古い傘は、寮のドアの脇に置いた。
そのうち落とし物置き場へ持っていくつもりだった。
けれど、それから数日、雨は降らなかった。
古い傘はそこに立っていた。存在しないみたいに静かだった。毎朝出かけるたびに目に入った。少し邪魔だったけれど、すぐに片づけなければならないほど邪魔でもなかった。
二度目の雨が降るまでは。
その日、私は本当なら二本目の新しい傘を持っていた。夜の授業に行こうとして、外の雨がかなり強いことに気づいたとき、その新しい傘は昼に行った図書館に置いたままだった。
古い傘は寮にあった。
私は校舎の入口で、しばらく雨とにらみ合った。
結局、雨の中を走って寮まで戻り、古い傘をつかんだ。
開くと、やはりあの古びた「カッ」という音がした。
私は言った。
「今日は臨時で借りるだけだから」
言ってから、自分が少し間抜けに思えた。
傘が返事をするはずはない。
ただ、たしかに拒みもしなかった。
今回は途中で、持ち手の内側に字があることに気づいた。
テープが乱雑に巻かれていたので、前は見えなかった。字は小さく、油性ペンでこっそり書かれたようだった。
漏れる。
雨の中で、危うく笑い出しそうになった。
その下にもう一行あった。上の文字より薄い。
注意ありがとう。もうやられました。
さらに下に、三行目があった。
右側が漏れる。左に寄せて持つこと。
試しに傘を少し左に傾けてみた。
確かに、かなりましだった。
左側から風が吹き込んでズボンの裾は濡れたけれど、少なくとも肩は守られた。
この傘は見た目こそぼろいが、経験だけは豊富だった。
私はそれを差して学食へ行き、窓際の席で夕食を食べた。雨水がガラスを滑り落ち、キャンパスの街灯が水の跡の中で細く光っていた。
古い傘は机の横に立てかけてあった。
傘の布からはまだ水が落ちていた。ぽた、ぽた、と、食の細い人がそれでもスープを飲み続けているみたいだった。
ふと、私はそれをそこまで嫌いではなくなっていた。
食べ終えると、私は傘を開いて寮へ帰った。
その夜の雨は強かった。木々の間を風が吹き、古い傘は何度か揺れたが、裏返りはしなかった。
私は少しゆっくり歩いた。
道端の水たまりには校舎の明かりが映っていて、足で踏むと光が砕けた。
私は一つ目の新しい傘のことを考えた。
誰かが持っていったのだろう。
ただ間違えただけかもしれない。今ごろ別の寮のドアのそばで、何事もなく立っているのかもしれない。持っていった人は気づいていないのかもしれないし、気づいても誰に返せばいいのか分からないのかもしれない。
不思議なことに、なくしたあの日ほど腹は立たなかった。
もう二本目を買ったからかもしれない。
それとも、手の中のこの古い傘が、漏れながらも私をここまで連れて帰ってくれたからかもしれない。
三度目の雨は、少し間を置いてやってきた。
梅雨の途中で突然何日か晴れ、キャンパスは一度干されたみたいになった。木の葉は明るい緑に光り、校舎の壁も少しきれいに見えた。みんな傘をしまい、傘立てはがらんとしていた。数日前の混乱など幻だったみたいだった。
古い傘は乾かしてから、寮のドアのそばに置いた。
二本目の新しい傘はリュックに入れてあった。より確実な選択肢として。
ある日の午後、天気予報がまた夕方から雨だと言うまでは。
出かける前、私は二本の傘を見比べた。
新しい傘は清潔で、頼りになって、名前と電話番号も書いてある。
古い傘は隅に立てかけられていて、持ち手のテープが少しめくれていた。
私はもう新しい傘へ手を伸ばしていた。
それなのに、最後にはなぜか古い傘を手に取った。
その日は授業が少なくて、荷物を増やしたくなかったからかもしれない。あるいは、古い傘が長いことドアのそばにあって、いつの間にか手に取りやすくなっていたからかもしれない。
午後、本当に雨が降った。
強くはなかった。
細く、密に、地面に落ちてもほとんど音がしない雨だった。図書館前のイチョウの葉は雨に洗われてきれいになり、通り過ぎる人たちはみな少し歩く速度を落としていた。
私は古い傘を差して図書館へ行った。
入口には、雨が弱まるのを待っている女子学生がいた。
彼女は私の傘を見ると、ふっと笑った。
「その傘、まだあるんだ」
私は驚いた。
「知ってるの?」
彼女は持ち手の内側を指さした。
「二行目、私が書いたの」
私は傘をひっくり返し、あの一文を見た。
注意ありがとう。もうやられました。
彼女は言った。
「一年生のとき、白いシャツでそれを使ったの。右肩が透けるくらい濡れてね。その日に反省して、これを書いた」
私は言った。
「かなり参考になりました」
「そのあと、誰かが三行目を足したんだよね?」
「うん。右側が漏れる、左に寄せて持つこと」
彼女はうなずいた。
「その人、私より責任感がある」
私たちは図書館の入口に並んで立ち、雨が階段を濡らしていくのを見ていた。
彼女によると、この傘はずいぶん長いこと学校の中を回っているらしい。彼女も当時、校舎の入口でそれを手に取り、使ったあと落とし物置き場へ返した。その後、図書館で一度、学食でも一度見かけたという。
「結局、誰の傘なんだろう」私は聞いた。
彼女は少し考えた。
「今は、誰のものでもないのかも」
彼女は何気なくそう言った。
言い終えると、空を見た。
「走って寮まで帰ろうかな」
私は言った。
「傘、使う?」
彼女は手を振った。
「いいよ。このくらいの雨なら、なくても平気」
雨は強くなかった。
四度目の雨の前に、私は一つ目の新しい傘を取り戻した。
落とし物置き場にあった。
持ち手には名前も電話番号も書いていなかった。あれは一つ目だったから。買ったばかりのころの私は、まだ世界を信用していた。
係の人は、学生が届けに来たのだと言った。間違えて持っていってしまった、申し訳ない、持ち主は分からない、と。
取り戻した傘はまだ新しく、開いても何の問題もなかった。濃い青色の布は平らで清潔で、まるで何も起こらなかったみたいだった。
私はついに、同じ型の新しい傘を二本持つことになった。
それに古い傘が一本。
寮の入口は、急に豊かになったように見えた。
それから数日、私はずっと新しい傘を持って出た。
新しい傘はやはりよかった。
漏れない。揺れない。開くのが速く、畳むのもすっきりしている。傘としてとても優秀で、ほとんど何の物語もなかった。
けれどある夜、寮へ戻ったとき、ドアのそばに立っている古い傘が目に入った。私はそれを手に取り、じっと見た。
継ぎ当てがまた緩んでいた。
骨の曲がりも、前より目立っていた。
学期が終わる前、五度目の雨が降った。
寮では引っ越し荷物を運ぶ人が出始め、廊下には段ボールや大きな袋が積まれていた。みんな荷物をまとめながら天気に文句を言っていた。卒業する先輩たちが下で写真を撮り、傘は雨の中で雑多な花のように開いていた。
私も実家へ帰るところだった。
リュックには新しい傘が入っていた。
もう一本の新しい傘はスーツケースにしまってあった。
古い傘は手に持っていた。
私は油性ペンを取り出し、下に一行書き足した。
まだ使える。
書き終えると、それを校舎の入口まで持っていき、傘立てのいちばん端へ戻した。
そこにはすでにたくさんの傘があった。
古い傘はその中に紛れると、少しも目立たなかった。
私は自分の新しい傘を差して、校舎を出た。
雨は思ったより強かった。
新しい傘はよかった。一滴も漏れなかった。
学校を出るとき、私はもう一度、校舎の入口を振り返った。
あの古い傘は、もうなくなっていた。




