半吸血鬼少女の往く道は

西暦の文化が衰退して早くも1024年が経った。

理が書き変わり、大地には数々の異形が跋扈し、人類は科学の衰退の代わりに魔法を手に入れた。
元々は『人間』と呼ばれていた種族は、その大半が『亜人族』や『魔族』へと生態を変化させたが、旧ユーラシア大陸では人間が他種族を迫害していた。

旧日本列島では、『鬼』という存在と契約を交わし独自の進化を遂げた種族『鬼人』が細々と暮らしていた。
世界的には『吸血鬼』とされる彼等は皆、紅い眼をしている。その中で唯一、漆黒の右眼を持つ少女……名は瑤華。

同族から嫌悪される事も無く、愛情をたっぷり注がれて育った彼女の日々は、ある日人間の侵略によって終わりを告げる。

──時は流れ、人間の王国が敷く圧政に反抗する為に生まれた『革命軍』に保護された瑤華は、自身と同じ境遇の子供をもう生まない為に戦う事を選んだ。

心に爆弾を抱えて、それでも生き続ける事を選んだ瑤華。
ずっと噛み合わないままだった彼女の歯車は、勇者ユイナと出逢う事で大きく動き出す。

王国の目的、吸血鬼族が侵略された理由……そして遂には、旧人類が絶滅の危機に陥った真の理由──。
それ等が噛み合う時、２人の少女の運命が歪む。


百合鬱と微工口を混ぜ混ぜにしたファンタジー創作。
主に魔法少女シリーズや勇者であるシリーズに性癖を歪められた人向け！