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『異世界古道具店 ― 壊れたものの記憶、直します ―』

作者:リコ
最新エピソード掲載日:2026/10/24

王都から離れた寂れた街エルディア。

その路地裏に、壊れた古道具ばかりを扱う小さな店がある。

店主の名はカイン。
かつて王都で《神の手》と称えられながら、今は《心のない修復師》と呼ばれる青年だ。

彼には、物に触れることで、そこに残された「記憶」を読み取る力があった。

持ち主の喜びも、後悔も、誰にも知られたくなかった傷さえも。

その力ゆえに人との関わりを避け、壊れた物だけを相手に静かに暮らしていたカイン。

そんな彼の日常は、ある嵐の夜に壊れる。

店の奥で眠っていた古びたオルゴールが、突然ひとりでに旋律を奏で始めたのだ。

そして、その光の中から現れたのは――

自分の名前以外、何も思い出せない少女、リコ。

しかも彼女には、あるはずの「影」がなかった。

リコが現れてから、古道具店には奇妙な品々が次々と持ち込まれる。

七枚の花弁が刻まれた品。
謎めいた白い獣。
炎に包まれた街の記憶。
そして、何度も聞こえてくる少女の声。

――忘れないで。

なぜリコは記憶を失ったのか。

なぜ彼女には影がないのか。

そして、歴史から消された「あの日」に、何が起きたのか。

壊れたものの記憶を読む修復師と、
自分自身の過去を失った少女。

二人は古道具に残された記憶をたどりながら、
少しずつ、この世界から消された真実へ近づいていく。

これは、壊れた物と失われた記憶をめぐる、
小さな古道具店から始まる物語。
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