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女王様見習いの清楚お嬢様は、○○○の穴を埋めて欲しい

作者:弥波明希
最新エピソード掲載日:2026/07/18
「私は……強い女性に――SMの、女王様になりたいんですっ!」

 主人公――黒川《くろかわ》凛音《りおん》は、学校で一番美人で清楚なお嬢様、真白《ましろ》妃奈《ひな》が女王様の衣装を買おうとする姿を偶然目撃してしまう。
 
 いい子を卒業したい。親の言いなりになってばかりの自分は嫌だ。だから女王様みたいに強くなりたい。
 そう願う妃奈は、やらしてみれば罵倒ひとつロクにできない超初心者だった。

「遅刻寸前じゃないですか。黒川君のノロマ亀さん、すっぽんぽんにして校庭走らせちゃいますよ!」
「教室で罵倒の練習するな」

 ぽんこつな妃奈の趣味がバレないよう、凛音は演技の経験を生かして、妃奈を一人前の女王様に育てようと決意する。

「……ふふ。私、女王様に向いてるのかもしれないですね、わんちゃんを可愛がるのが、こんなに楽しいだなんて」

 へっぽこな罵倒をされ、優しく遠慮気味に踏まれ、いつしか凛音は妃奈の前でだけ、抑えられない何かを感じるようになっていく。

 子供の頃から演技を強要され続け、自分の感情が本物か偽物かも分からなかった凛音にとって、それは唯一の――歪んでいたとしても、確かな手応えだった。

 強くなるために女王様になりたい、優しくて無垢なお嬢様、妃奈。
 本当の自分を知るきっかけになると信じ、妃奈のわんちゃんになった、凛音。
 虚像と偽物。ふたりの関わりが、本当の自分への一歩となる。

「私は自分の足で歩きたい。お飾りの人形のままは……いやなんです」

 親の期待、周りの視線。自分を縛るすべてに、妃奈は小さな反旗を翻す。
 どこまでもまっすぐで、だけど歪な純愛と再生のラブコメディ。
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