無能な三代目当主は二つの貌を持つ。 ―13歳の少女執事だけが、それを知っている。
最新エピソード掲載日:2026/08/04
ゴルモアの社交界で、彼はこう呼ばれている。「無能な三代目」――魔力ばかり人並外れて、魔法ひとつ使えぬ穀潰し。酒に溺れ、女に甘く、会社は執事任せ。
けれど、私だけは知っている。
夜ごと霧の街へ飛び、罪人だけを狩る無音の処刑人「ブリムストーン」。裁きの前に、奪われた者たちの名を、たったひとりで読み上げる男。
十三歳の私、クロエ・アルジェントは、そんな主のもとへ半年前に押しかけた、筆頭執事。祖父の遺した技のすべてを叩き込まれ、彼の「もう一つの顔」を支える、たったひとりの相棒である。
誰よりも強くて、誰よりも優しいこの人が、どうして無能と嗤われ続けなければならないのか。歯がゆい。歯がゆくて、仕方がない。
けれど今夜も、私は水差しを傾ける。「ご主人様。朝です。正確には、とっくに昼です」
これは、罪と灰の街に生きる、英雄ではない男と、一人の少女の物語。
けれど、私だけは知っている。
夜ごと霧の街へ飛び、罪人だけを狩る無音の処刑人「ブリムストーン」。裁きの前に、奪われた者たちの名を、たったひとりで読み上げる男。
十三歳の私、クロエ・アルジェントは、そんな主のもとへ半年前に押しかけた、筆頭執事。祖父の遺した技のすべてを叩き込まれ、彼の「もう一つの顔」を支える、たったひとりの相棒である。
誰よりも強くて、誰よりも優しいこの人が、どうして無能と嗤われ続けなければならないのか。歯がゆい。歯がゆくて、仕方がない。
けれど今夜も、私は水差しを傾ける。「ご主人様。朝です。正確には、とっくに昼です」
これは、罪と灰の街に生きる、英雄ではない男と、一人の少女の物語。
天火の狩り
2026/07/13 08:40
(改)
冷水の朝
2026/07/14 08:40
(改)
下町の英雄
2026/07/15 08:40
(改)
据え膳と氷姫
2026/07/16 08:40
(改)
午餐会の蛇
2026/07/17 08:40
(改)
綺麗すぎる声
2026/07/18 08:30
南倉の名簿
2026/07/19 08:30
泥水が似合いだと
2026/07/20 08:30
南の倉、十九の名
2026/07/21 08:30
押しかけ初日
2026/07/22 08:30
椅子に座る夜
2026/07/23 08:30
檻の中の四十一番
2026/07/24 08:30
水番のネリ
2026/07/25 08:30
雨の夜、二人の時間
2026/07/26 08:30
十九の名前
2026/07/27 08:30
化け物と呼ばれて
2026/07/28 08:30
恩人の警告
2026/07/29 08:30
縁のある男
2026/07/30 08:30
狂犬の寝ぐら
2026/07/31 08:30
同じ鋼糸
2026/08/01 08:30
戦利品の首飾り
2026/08/02 08:30
音を返す
2026/08/03 08:30
わが友、
2026/08/04 08:30