ウィル雷撃隊１――冒険者は羊のように眠れるのか？

　帝国軍歩兵軍団を晴れて名誉除隊したウィルは幼少の時から憧れていた冒険者になった。軍団兵としての５年の歳月はのどかな農村の少年を屈強な兵士に作り上げるには十分だった。精鋭歩兵部隊「ブルージャケット」の元隊員としての腕前と退職金の銀貨80枚を元手に冒険者として順風満帆に歩むはずだったが先人の助言通りに重厚な鎧兜を調達した時点で退職金を遣い切ってしまう。焦ったウィルは冒険者ギルドで言われるがままにパーティを編成して駆除の仕事を請負う事になった。初仕事は新人冒険者に向いた簡単な害獣駆除と思われたが、想定外の強力な勢力に遭遇し壊滅の危機に晒される事になった。禁じ手でピンチを脱するものの甚大な二次被害でウィル達は社会的制裁を受ける寸前まで追いやられる。制裁を逃れる条件は唯一つ。非情な絶滅作戦の成功だけであった。死闘の末、辛うじて勝利し依頼を全うしたウィル達は酒場で吟遊詩人の歌を聞き流しながら祝杯を上げるのであった。



主人公補正はハリウッド映画レベルです。プレステのようなコンシューマ機用ゲームソフトで言えば難易度ノーマルになります。

男性戦士と女性魔導士の出会いも重要な要素なのでそこだけ見ればボーイミーツガール物と言えないことも無いかも知れません。

主人公の強さはBethesda制作のRPG「オブリビオン」に登場する最強モブキャラ、プレイヤーからミスタースタァップ！と呼ばれ恐れられる帝国軍衛兵クラスです。あの最強衛兵さんが除隊して冒険者になったら……と思って読むのも面白いと思います。