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【完結】「君だけはわかってくれ」そう言われ続けた私は、もう我慢するのをやめました——公爵家で新しい人生を選びます。私はもう、あなたを支えません——

作者:猫燕
最終エピソード掲載日:2026/09/19
「エリザは優秀だから、これくらい平気だろう?」

深夜まで一人で伯爵家の帳簿を整理する婚約者に、ブレッドはいつもそう言って微笑んだ。
社交界でも、外交の場でも、彼はいつも病弱な幼馴染・レベッカを優先し、私には「後で説明する」「君だけはわかってくれ」——そればかりだった。

大丈夫です。お気になさらず。

そう笑い続けたある夜、重要な交渉の場で用意した席さえレベッカに譲られたとき、静かに、けれど確かに、何かが折れた。

「婚約を、返上させてください」

引き止める者は誰もいなかった。ブレッドは「そのうち戻らせてほしいと言ってくるさ」と笑い、私は何も持たずに実家へ戻った。
そんな私に声をかけたのは、実力主義を掲げる公爵家の次期当主・アレックス。

「一人で全て抱えなくていい。疲れたら休め」
「君はここにいていい」

初めて、"結果"ではなく"私自身"を見てくれる人に出会った。

一方、私を失ったブレッドの家は――貿易は途絶え、鉱山の不正が発覚し、商人たちは一斉に離れていく。

「エリザがいれば、こんなことには……」

かつて「優秀だから」と便利に使っていた男が、今度は跪いて懇願してくる。

「頼む、戻ってきてくれ」

遅いのです。
私は、自分を選んでくれる人と生きると決めたのだから。
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