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三匹のこぶた、青春中

作者:まーサンタ
最終エピソード掲載日:2026/08/30
あらすじ

中学二年生の春。

明るくて調子のいい藤原蓮、努力家で真面目な木村樹、成績優秀で人付き合いの苦手な石田岳。

性格も考え方もまったく違う三人は、同じクラスになったものの、最初から仲が良かったわけではなかった。

ある放課後、偶然同じ場所に集まったことをきっかけに、三人は少しずつ一緒に過ごすようになる。

蓮は「なんとかなる」と笑い、樹は「努力すれば大丈夫」と言い、岳は「失敗しないように準備しておけばいい」と考える。

三人の生き方は、まるで童話の三匹のこぶた。

わらの家、木の家、レンガの家。

けれど、現代の中学生にとっての「狼」は、童話のような一匹の獣ではない。

クラスの噂。

SNS。

部活動。

恋。

家族。

進路。

そして、誰かに嫌われることへの恐怖。

春から夏へ。

三人はくだらないことで笑い、放課後を過ごし、少しずつ互いの秘密を知っていく。

しかし、ある出来事をきっかけに、三人の間に初めて大きな亀裂が生まれる。

蓮は「嫌われないため」に本音を隠し、樹は「努力すれば解決できる」と一人で抱え込み、岳は「誰にも頼らなければ傷つかない」と自分の心に鍵をかける。

やがて三人の友情は崩れ、それぞれが別々の道を歩き始める。

わらの家は風に飛ばされる。

木の家にはひびが入る。

そして、誰よりも頑丈だったレンガの家にも、誰も入れないという大きな弱点があった。

冬。

三人はようやく気づく。

自分たちが恐れていた「狼」は、誰か一人の悪者ではなかった。

失敗したくない。

傷つきたくない。

嫌われたくない。

そんな、自分たち自身の弱さこそが、三人の家を壊していたのだ。

春。

三人はもう一度、顔を合わせる。

以前のように戻るのではない。

それぞれが、自分の弱さを認めた上で、新しい関係を作り直すために。

わらの軽さ。

木のしなやかさ。

レンガの強さ。

一人では足りなかったものを、三人で補いながら、今度は誰か一人の家ではなく、三人で帰ることのできる「家」を作っていく。

これは、童話の三匹のこぶたをモチーフにした、三人の中学生の一年間の物語。

友情も、恋も、失敗も、涙も。

風が吹くたび、僕らは少しずつ強くなる。

三匹のこぶたは、今日も青春の途中にいる。
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