黎繞(クロマト)グラフィー ―愛と殺意の同一性―
最新エピソード掲載日:2026/06/17
俺は殺す。僕は隠す。それが、愛のかたちだった。
茅野斗亞(かやの とあ)は、自分を「黎(くろ)」だと認識して生きている。すべてを俯瞰し、感情を排し、完璧な日常を演じるための自己定義。
だがその内側には、斗亞自身が生み出したもう一つの人格が存在する。殺すことでしか愛を実感できない、交代人格・繞(まと)。
繞にとって、育ての親である医師・上總悠司(かずさ ゆうじ)の殺害は「歪んだ愛を完成させる」ための最終目的だった。
黎――すなわち斗亞は、その狂気を理解し、制御し、隠蔽する。それは獣を飼いならす行為であり、同時に自分自身と日常を守るための、唯一の選択だった。
完璧に偽装された危うい日常。
しかしその「色」は、一人の少女・桐崎紗莉菜(きりさき さりな)に目撃されたことで濁り始める。
「繞さん。あなたの愛を、私が終わらせてあげる」
そして、彼の仮面の裏側に潜む「空白」を暴こうと、死の影を振りまきながら迫るルポライター・宝蔵院映見(ほうぞういん えみ)。
完璧なアリバイと、究極の殺害計画。これは、人格を分離することでしか生きられなかった男が、“愛を管理する者”から、“愛に呑まれる者”へと変わっていく物語。
第1話:管理された日常
2026/05/20 20:20
第2話:冷めた焼きそばと、慈愛の針
2026/05/23 20:20
第3話:存在しないはずの観測記録
2026/05/27 20:20
第4話:記録される狂気
2026/05/30 20:20
第5話:紙面の外側
2026/06/03 20:20
第6話:分離できない澱
2026/06/06 20:20
第7話:閃光電球
2026/06/10 20:20
第7.5話:コンクリートの聖域
2026/06/13 20:20
第8話:社会的処理
2026/06/17 20:20