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魔王を看取った男 ──介護福祉士・矢野透の異世界救済譚──

最終エピソード掲載日:2026/05/02
特別養護老人ホームで働く介護福祉士・矢野透(28歳)は、自分の仕事を「誰にでもできる作業」と内心見下していた。母を認知症で看取れなかった罪悪感を、業務の機械的な処理に逃避させて生きている。ある朝、通勤バスの事故により異世界へ転生する。
転生先は、魔王軍に侵攻されて滅亡寸前の小国アルデリア。透は冒険者ギルドに登録し、「英雄になって、誰にも認められなかった人生をやり直す」ことを決意する。彼の介護スキルは、異世界では奇跡のように機能した。観察眼は敵の弱点を見抜き、ボディメカニクスは巨人を投げ飛ばし、ポジショニング技術は戦闘隊形に応用された。
しかし、敵国フェルガンドの軍師として、元職場の上司・倉橋が転生していた。利用者を数字でしか見なかった男は、異世界でも「人間を消耗品として運用する」効率主義で帝国を急速に強化していく。
英雄として祭り上げられた透は、しかし冷たい性格ゆえに仲間を傷つけ、最も大切な少女を「看取る」ことすらできずに失う。絶望のなかで透は、自分が逃げ続けてきた母の最期と向き合うことになる。
魔王の正体──それは、千年前に誰にも看取られず、一人きりで死んだ少女の魂だった。透が選んだ最後の戦いは、剣を振るうことではなく、彼女の人生を聞き取り、痛みを認め、ただ手を握って看取ることだった。
世界を救った透は元の世界へ戻る。介護現場へ戻った彼は、もう以前の彼ではない。最初に向かうのは、母の墓だった。
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