まだ、夢の途中
最新エピソード掲載日:2026/06/03
我々の住む地球、銀河、宇宙の、さらにその外側。 球体状の宇宙空間が、闇に無数に浮かんでいる。 そのひとつに頬を寄せていた何かが、ある日ふと、夢の中でわずかに身を返した。
――ただ、それだけのことだった。
それから七年が過ぎる。
空はあいかわらず青く、子どもたちはランドセルを背負って学校へ向かい、駅前では誰かが信号を待っている。世界は何ひとつ変わっていないように見える。
けれど、ほころびはある。
口に出した言葉が、一瞬だけ目の前に形を持つ。
夢で見た顔と、駅の改札ですれ違う。
そんな日常の異変に、人々は少しずつ気づきはじめていた。
声を奪われた女が、失った恋人の名前を指でなぞる。
くたびれた青年が、自分の内側で目を覚ました獣を満員電車の窓に映す。
戦火の修道女が、祈りの言葉ひとつで街を焼いた。
並行世界のどこかでは、すべてを欲した少女が、こちらの自分にそっと手を伸ばしている。
ほころびの向こうで、それぞれが夢を見はじめている。
それは夜明けの予兆か、終わりの足音か――まだ誰にもわからない。
――ただ、それだけのことだった。
それから七年が過ぎる。
空はあいかわらず青く、子どもたちはランドセルを背負って学校へ向かい、駅前では誰かが信号を待っている。世界は何ひとつ変わっていないように見える。
けれど、ほころびはある。
口に出した言葉が、一瞬だけ目の前に形を持つ。
夢で見た顔と、駅の改札ですれ違う。
そんな日常の異変に、人々は少しずつ気づきはじめていた。
声を奪われた女が、失った恋人の名前を指でなぞる。
くたびれた青年が、自分の内側で目を覚ました獣を満員電車の窓に映す。
戦火の修道女が、祈りの言葉ひとつで街を焼いた。
並行世界のどこかでは、すべてを欲した少女が、こちらの自分にそっと手を伸ばしている。
ほころびの向こうで、それぞれが夢を見はじめている。
それは夜明けの予兆か、終わりの足音か――まだ誰にもわからない。
導入
chapter-01: 光の日
2026/05/16 23:39
(改)
第一部: 潜伏期 ─ 雨宮ひかり編
chapter-02: 雨と足音 第一節 うすあかり
2026/05/16 23:39
(改)
chapter-02: 雨と足音 第二節 夜道に、ひとり
2026/05/16 23:39
(改)
chapter-02: 雨と足音 第三節 ほしのうら
2026/05/16 23:39
(改)
chapter-03: 呼応する身体 第一節 家のなか、あなたしか見えない
2026/05/19 00:50
(改)
chapter-03: 呼応する身体 第二節 ふたつだけ
2026/05/19 00:50
(改)
chapter-03: 呼応する身体 第三節 飛ぶ、ひととき
2026/05/19 00:50
(改)
chapter-04: 光る、小さなもの 第一節 光るもの
2026/05/23 14:22
(改)
chapter-04: 光る、小さなもの 第二節 いのちの天秤
2026/05/23 14:22
(改)
chapter-04: 光る、小さなもの 第三節 引き出しの奥
2026/05/23 14:22
(改)
chapter-05: 日常のなかで 第一節 冬の入り口
2026/05/30 18:50
(改)
chapter-05: 日常のなかで 第二節 年明けの静けさ
2026/05/30 18:51
(改)
chapter-05: 日常のなかで 第三節 春のはじまり
2026/05/30 18:51
(改)
chapter-05: 日常のなかで 第四節 初夏の手触り
2026/05/30 21:37
(改)
chapter-05: 日常のなかで 第五節 成長と慢心
2026/05/30 21:37
(改)
chapter-05: 日常のなかで 第六節 揺らぐ影
2026/05/30 21:37
(改)
chapter-05: 日常のなかで 第七節 紫紺のぬくもり
2026/05/30 21:38
(改)
chapter-06: 九月の影 第一節 ルナのいない夏
2026/06/03 00:07
(改)
chapter-06: 九月の影 第二節 もつれた紫紺
2026/06/03 00:07
(改)
chapter-06: 九月の影 第三節 夕方の河川敷
2026/06/03 00:07
(改)
chapter-06: 九月の影 第四節 胸の内側に
2026/06/03 00:07
(改)