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測量士と転移者

作者:ごま
最終エピソード掲載日:2026/10/07
 遺跡には、攻める者と測る者がいる。

 ハルトは、後者だ。

 魔獣の巣食う遺跡に潜り、通路の幅を測り、天井の高さを控え、図面を引いて帰ってくる。剣も宝も名声も要らない。それだけで飯を食う、特級の遺跡測量士。

 その日も彼は、家が代々請け負ってきた「サルカド遺跡」を、いつものように測っていた。

 帰り道、崩落で塞がれた行き止まりに、見慣れない服の少女が倒れていた。

 言葉が通じない。文字も違う。持ち物は、この国のどの工房にも作れない精度で出来ている。

 そして――この区画に、入口はもうない。

「……どこから入った?」

 言葉の通じない少女を測量助手として雇い、二人で遺跡に潜るうち、ハルトは自分が二十年書き続けてきた数字の異常に気づく。

 どの遺跡も、通路の幅が同じなのだ。天井の高さも、階段の蹴上げも、寸分違わず。

 人が建てた物は、必ずずれる。  ずれないものを、人は建てられない。

 ――では、これは誰が造った。

 剣ではなく杆を持つ大人の男と、帰る場所を探す少女。  二人が測り上げた数字は、やがてこの世界そのものの図面になる。
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エピソード 101 ~ 120 を表示中
届かない声
2026/09/28 10:00
止まった音
2026/09/28 20:00
自分の意思で
2026/09/29 10:00
光る石段
2026/09/29 20:00
本当のこと
2026/09/30 20:00
三人で降りる
2026/10/01 10:00
帰ろう
2026/10/01 20:00
誘った側
2026/10/02 10:00
別の一派
2026/10/02 20:00
両側から
2026/10/03 10:00
止める役目
2026/10/03 20:00
降りる
2026/10/04 10:00
千年の一人
2026/10/04 20:00
崩れた言葉
2026/10/05 10:00
二人で一つ
2026/10/05 20:00
送る
2026/10/06 10:00
行った
2026/10/06 20:00
書いた者
2026/10/07 10:00
本日も、帰る
2026/10/07 20:00
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エピソード 101 ~ 120 を表示中
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