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赤字ラーメン店長、異世界で『棚卸の儀』を極めて魔王と元上司を屠り、元の店に凱旋する

最終エピソード掲載日:2026/05/06
たった一人で個人ラーメン店を営む田所健太、三十二歳。家賃を三カ月滞納し、来月の家賃も払えない閉店間際の真夜中、寸胴鍋から立ち上る湯気の奥に見えた紋様が、彼を異世界の召喚陣へと引きずり込んだ。
「勇者ではないな」──冷たい王女の一言で皿洗い行きとなった健太の武器は、八年分の棚卸ノートと、爪楊枝と、長靴と、エプロンだけ。
王宮の食材庫で帳簿と現物の差異を暴き、商人会の不正を見抜き、冒険者ギルドの帳簿を読み解いていく中で、健太は気づく。自分の店から毎月半個ずつ消えていた鶏ガラと、この世界で起きている「謎の物資不足」が、地理的に完全に一致していることに。
そして王宮の廊下で再会したのは、十年前のパワハラ上司、黒田仁。いまは「経営顧問卿」として三年もこの世界で仕込みを進めていた男。
数えるのが、たまらなく好きだった。
数え終えたとき、世界はちゃんと辻褄が合っている。
失われた古代魔法『棚卸の儀』を極め、半個ずつの差異を取り戻す店長の戦いが、いま始まる。
復讐じゃない。ただ数えるだけ。それでも世界は、勝手に辻褄を合わせてくれる。
※この物語は小説家になろう、カクヨムで掲載されています。
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