では、一番条件の悪い方を婿にします ~侯爵令嬢が選んだのは、伯爵家の眼鏡三男でした~
最終エピソード掲載日:2026/09/18
アストリッド・リーベン侯爵令嬢は困っていた。
二十三歳にして両親を事故で亡くし、葬儀に領地の仕事に屋敷のことにと、悲しむ暇もない。
そのうえ、この国では女性が侯爵位を継ぐことはできない。リーベン侯爵家を残すためには、早急に婿を迎えなければならなかった。
候補は三人。
話術も容姿も申し分なく、自信たっぷりに侯爵家の未来を語る同格侯爵家の次男、パーシバル。
公爵家との縁をありがたく思うべきだという態度が、丁寧な言葉の端々から透けて見える公爵家三男、トラヴィス。
そして、三人の中でもっとも家格が低く、実家の事情まであまり格好よくない伯爵家三男、ウィルフレッド。
ところがウィルフレッドだけは、侯爵家の将来を語る前に、亡くなったアストリッドの両親を悼んだ。
「この縁談が、うちにとって都合がいいことは事実です」
自分に不利なことまで、少し不器用な丁寧さで話す眼鏡の青年に、アストリッドはようやく肩の力を抜いた。
「では、この方にします」
家格も条件も一番ではない。
けれど、一緒に家を回していく相手なら、この人がいい。
そうして迎えた婿は、分からないことを分からないと言い、家令に教わり、妻を働かせすぎず、いつの間にか侯爵家になくてはならない夫になっていく。
一方、選ばれなかった二人もまた、それぞれ自分が口にした言葉どおりの道を進んでいくことになり……
二十三歳にして両親を事故で亡くし、葬儀に領地の仕事に屋敷のことにと、悲しむ暇もない。
そのうえ、この国では女性が侯爵位を継ぐことはできない。リーベン侯爵家を残すためには、早急に婿を迎えなければならなかった。
候補は三人。
話術も容姿も申し分なく、自信たっぷりに侯爵家の未来を語る同格侯爵家の次男、パーシバル。
公爵家との縁をありがたく思うべきだという態度が、丁寧な言葉の端々から透けて見える公爵家三男、トラヴィス。
そして、三人の中でもっとも家格が低く、実家の事情まであまり格好よくない伯爵家三男、ウィルフレッド。
ところがウィルフレッドだけは、侯爵家の将来を語る前に、亡くなったアストリッドの両親を悼んだ。
「この縁談が、うちにとって都合がいいことは事実です」
自分に不利なことまで、少し不器用な丁寧さで話す眼鏡の青年に、アストリッドはようやく肩の力を抜いた。
「では、この方にします」
家格も条件も一番ではない。
けれど、一緒に家を回していく相手なら、この人がいい。
そうして迎えた婿は、分からないことを分からないと言い、家令に教わり、妻を働かせすぎず、いつの間にか侯爵家になくてはならない夫になっていく。
一方、選ばれなかった二人もまた、それぞれ自分が口にした言葉どおりの道を進んでいくことになり……
第一話 アストリッドは困っていた
2026/09/18 23:46
第二話 申し分のない候補
2026/09/18 23:47
第三話 互いに大人なのだから
2026/09/18 23:47
第四話 大変でしたね
2026/09/18 23:48
第五話 都合のよい縁談
2026/09/18 23:49
第六話 お前が?
2026/09/18 23:49
第七話 何でだ?
2026/09/18 23:50
第八話 持ってくるもの
2026/09/18 23:50
第九話 誰に聞けばいいですか
2026/09/18 23:51
第十話 手紙の向こう
2026/09/18 23:51
第十一話 昼食の時間
2026/09/18 23:52
第十二話 夜会もですか
2026/09/18 23:53
第十三話 あの男のどこが
2026/09/18 23:53
第十四話 婿が来る日
2026/09/18 23:54
第十五話 本の話もしてね
2026/09/18 23:54
第十六話 朝食の決まり
2026/09/18 23:55
第十七話 書いていなかったこと
2026/09/18 23:56
第十八話 お互いに自由
2026/09/18 23:56
第十九話 最近、具合がよくない
2026/09/18 23:57
第二十話 困ったことがあるんだけど
2026/09/18 23:57
第二十一話 家族が増えました
2026/09/18 23:58