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俺の店だけ、世界のルールが違う ~魔王も勇者も、当店ではお客様です~

作者:shutaro
最新エピソード掲載日:2026/11/01
異世界に転生した俺、レオンには、剣の才能も魔法の才能もなかった。

勇者になれるわけでも、魔王を倒せるわけでもない。

だから俺は、辺境の町で小さな雑貨屋を開くことにした。

目標は一つ。

誰かに「お前がいてくれてよかった」と言ってもらえる場所を作ること。

ところが、開店三日目。

店に現れたのは、世界を恐怖に陥れているはずの魔王だった。

「食事を頼む」

「いらっしゃいませ。何名様ですか?」

「……三千人だ」

魔王軍三千人分の食料を注文され、俺の平穏な店主生活はあっさり終わった。

さらに、魔王を追ってきた勇者が店に乱入。

しかし、俺が店内に貼った二枚の紙が、世界の常識をひっくり返した。

『店内での盗みは禁止』

『店内での暴力行為は禁止』

どうやら、この店の中では、俺が決めた規則が世界の理より優先されるらしい。

魔王の魔法も、勇者の聖剣も、店内では規則に逆らえない。

ただし、店の外では普通の世界に戻る。

食料を仕入れるのも、商人と交渉するのも、借金を返すのも、仲間を守るのも、全部俺自身の仕事だ。

便利な力はある。

でも、何でもできるわけじゃない。

だからこそ、俺は商売をする。

魔王軍に食料を売り、勇者に返品を受け付け、凄腕の剣士を雇い、種族を問わず客を迎える。

やがて小さな雑貨屋には、王族も大商人も、伝説の冒険者も訪れるようになった。

誰もが恐れる魔王でさえ、この店では一人の客にすぎない。

だが、店が有名になるにつれ、世界はその力を放っておかなくなった。

王国は店を手に入れようとし、大商会は商売を潰そうとし、正体不明の勢力は店そのものを奪おうとする。

俺は世界を救いたいわけじゃない。

ただ、自分の店を守りたいだけだ。

ここでは、強い者も弱い者も、魔族も人間も、王様も冒険者も、同じ客として迎えられる。

だから今日も、俺は扉を開く。

「いらっしゃいませ。当店では、すべてのお客様を歓迎しております」

ただし
店内で暴れるお客様は、お断りです。
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