第5話 最強の剣士が、皿洗いをしている
翌朝、俺の店には客がいなかった。
いや、正確には、客を迎える余裕がなかった。
カウンターの上には、食料の仕入れ帳簿と、王国商務局から届いた通達。
壁には、昨日追加した規則。
店の外には、魔王軍三千人分の食料を待つ人たち。
そして、俺の目の前には、冷めた朝食が一皿。
「……腹が減った」
商人も、役人も、魔王も。
結局、腹が減るのは同じらしい。
俺は冷めたパンをかじりながら、帳簿を確認した。
昨夜、ユリウスが町の外を回ってくれたおかげで、追加の穀物と根菜を確保できた。
ただし、三千人分にはまだ足りない。
しかも、王国の許可がなければ搬出できない。
食料はある。
買い手もいる。
売り手もいる。
それなのに、運べない。
商売というのは、どうしてこうも面倒なのだろう。
「レオン殿!」
扉が開き、ユリウスが飛び込んできた。
「聞いてくれ。北の農村で、食料を出してもいいという人たちが見つかった!」
「本当か?」
「ああ。ただし、荷車が足りない。村の荷車を使えば運べるが、町の門で止められる可能性がある」
「なるほど……」
俺は帳簿に必要な荷車の台数を書き加えた。
「まずは、荷車の手配だな」
「それから、もうひとつ」
ユリウスの顔が曇った。
「村で聞いた話だが、魔王軍に食料を売る商人がいると、王国の兵士が調べて回っているらしい」
「俺のことか?」
「おそらくな」
「有名になったものだ」
「感心している場合か!」
ユリウスが叫んだ、そのとき。
店の扉が、ゆっくりと開いた。
カラン。
ベルが鳴る。
入ってきたのは、一人の女性だった。
黒い外套。
腰には、使い込まれた長剣。
肩まで伸びた銀色の髪は乱れ、頬には薄い傷がある。
背は高く、立ち姿には無駄がなかった。
そして、何よりも目を引いたのは、その剣だった。
刃こぼれひとつない鞘。
柄に刻まれた古い紋章。
剣を持つ手には、幾重にも重なった傷跡があった。
ユリウスが息をのんだ。
「……まさか」
女性は店内を一度見回し、カウンターへ歩いてきた。
「ここは、食事ができる店か?」
「はい。簡単なものなら出せます」
「では、温かいスープを一杯」
「かしこまりました」
俺は鍋に火を入れ、昨日の残りの豆と野菜を使ってスープを温めた。
女性はカウンター席に座り、剣を膝の上に置いた。
ユリウスは、まだ彼女を凝視している。
「……あなたは」
女性が顔を上げた。
「何だ、少年」
「あなたは、剣聖アリシア……なのか?」
店内の空気が止まった。
女性は、ほんのわずかに目を細めた。
「昔の名前だ。今は違う」
「そんな……あなたが、どうしてこんな町に?」
「食事をしに来た。それ以外に理由が必要か?」
ユリウスは言葉を失った。
俺は、スープを器に盛り、女性の前に置いた。
「お待たせしました」
アリシアは一口すすった。
それから、黙ってもう一口。
三口目を飲んだところで、肩の力がわずかに抜けた。
「……うまいな」
「ありがとうございます」
「これ、いくらだ?」
「銅貨三枚です」
彼女は代金を置いた。
そして、空になった器を見つめた。
「もう一杯、頼めるか?」
「もちろんです」
俺が鍋を持ち上げると、アリシアがふと尋ねた。
「ここでは、仕事を紹介してもらえるか?」
「仕事ですか?」
「何でもいい。食事代を払える仕事があれば」
俺は彼女の剣を見た。
剣聖と呼ばれた人物が、仕事を探している。
何か事情があるのだろう。
だが、聞かれたくないことを無理に尋ねるつもりはなかった。
「今は、店の手伝いならあります。皿洗いと掃除、それから荷物運び。報酬は大きくありませんが、食事はつけられます」
「それでいい」
彼女は即答した。
ユリウスが、思わず立ち上がった。
「待ってください! あなたほどの剣士が、皿洗いなんて!」
アリシアは冷たい目を向けた。
「剣士なら、皿を洗ってはいけないのか?」
「いえ、そういう意味では……」
「なら、座れ」
ユリウスは、すごすごと椅子に戻った。
俺は思わず笑いそうになった。
どうやら、この店には勇者よりも強い人間がいるらしい。
いや、剣の腕だけなら、という意味だが。
◇
アリシアは、驚くほど手際よく働いた。
皿を洗い、床を掃き、棚を拭く。
無駄な動きがない。
剣を振るうのと同じように、必要な動作だけを正確にこなしている。
ただ、ひとつ問題があった。
「アリシアさん。その皿、そんなに力を入れなくても大丈夫です」
「汚れが残っている」
「それは、焦げつきなので、水につけておけば落ちます」
「そうか」
彼女は素直に皿を水につけた。
しばらくすると、今度は床を磨き始めた。
「アリシアさん。床はそこまで磨かなくても……」
「汚れている」
「はい。でも、床板が削れそうです」
「……加減が難しいな」
本当に難しいらしい。
ユリウスは、そんな彼女を見て落ち着かない様子だった。
「レオン殿。あなたは、彼女が何者かわかっているのか?」
「剣聖と呼ばれた人なんだろう?」
「剣聖どころじゃない。アリシア殿は、十年前の北方戦争で、たった一人で魔獣の群れを食い止めた伝説の剣士だ。王国騎士団の精鋭ですら敵わなかった魔獣を、数十体も倒したという」
「へえ」
「へえ、じゃない!」
「すごい人なんだな」
「そうだ! それなのに、どうして皿を洗わせているんだ!」
「本人が仕事をしたいと言ったからだ」
ユリウスは口を閉じた。
俺は洗い終わった皿を棚に戻した。
「剣が強いからといって、食事代が無料になるわけじゃないだろう?」
「……それは、そうだが」
「それに、皿洗いだって立派な仕事だ。店を続けるには必要なんだよ」
ユリウスは、納得しきれない顔をしていた。
そのとき、アリシアが口を開いた。
「少年。お前は、剣聖に何を期待している?」
「それは……人々を守ることです」
「なら、私はもう剣聖ではない」
彼女は布巾を絞った。
「人々を守るために剣を振るうことはできる。だが、守った人々が、私を必要としてくれるとは限らない」
「……」
「戦場で勝てば、英雄と呼ばれる。だが、戦争が終われば、英雄は邪魔になることもある」
彼女は、洗い終わった皿を棚に並べた。
「私は、もう誰かに英雄と呼ばれたいわけではない」
その声には、疲れがにじんでいた。
俺は、それ以上尋ねなかった。
何があったのか。
どうして剣聖と呼ばれなくなったのか。
それは、本人が話したいときに話せばいい。
「アリシアさん」
「何だ?」
「昼食のあと、店の裏に荷物を運んでもらえますか? 食料の仕入れが増えそうなので、整理を手伝ってほしいんです」
彼女は一瞬、目を丸くした。
それから、小さくうなずいた。
「わかった」
その表情は、ほんの少しだけ明るくなったように見えた。
◇
昼過ぎ。
店の外で、大きな音がした。
「おい、どこだ! あの女はここにいるのか!」
乱暴な声が響く。
扉が開き、三人の男が入ってきた。
先頭の男は、立派な鎧を着ていた。
胸には騎士団の紋章。
その後ろには、武装した兵士が二人。
「アリシア!」
男は店内を見回し、カウンターの奥にいる彼女を見つけた。
「ようやく見つけたぞ。王都から逃げた挙げ句、こんな場所で皿洗いとはな」
アリシアは布巾を置いた。
「何の用だ、グレイ」
「決まっている。王都へ戻ってもらう」
「断る」
「お前に拒否権があると思っているのか?」
男――グレイは鼻で笑った。
「王国騎士団の名誉を傷つけた責任を取ってもらう。お前のせいで、どれだけの者が迷惑を被ったと思っている!」
ユリウスが立ち上がった。
「待ってください。アリシア殿が何をしたというのですか?」
グレイは、ユリウスを見て驚いた。
「勇者ユリウス……なぜお前がここに?」
「質問に答えてください」
「これは騎士団内部の問題だ。お前には関係ない」
「剣聖アリシア殿に関わる問題なら、俺にも関係があります」
グレイは不愉快そうに顔を歪めた。
「相変わらず、正義感だけは一人前だな。いいだろう。教えてやる」
彼はアリシアを指さした。
「この女は、命令に背いた。戦場で撤退命令を受けたにもかかわらず、勝手に持ち場を離れ、敵兵を救助したのだ」
ユリウスの顔が強張った。
「敵兵を……救助?」
「そうだ。しかも、王国軍の作戦を妨害した。結果として、我が軍は予定していた進軍を中止せざるを得なかった」
グレイは、勝ち誇ったように続けた。
「命令違反。軍規違反。そして、王国への背信行為。彼女が剣聖の称号を剥奪されたのは当然のことだ」
俺は、アリシアを見た。
彼女は何も言わなかった。
ただ、静かにグレイを見つめていた。
「……本当に、敵兵を助けたんですか?」
ユリウスが尋ねた。
「そうだ」
「どうして?」
グレイは嘲笑した。
「さあな。敵に同情したのか、命令が理解できなかったのか。いずれにせよ、戦場で独断行動を取る者は、仲間の命まで危険にさらす」
ユリウスは黙った。
確かに、戦場で命令を無視すれば、多くの人間が危険にさらされる。
それは、俺にもわかる。
だが、アリシアは、なぜ敵兵を助けたのだろう。
「アリシアさん」
俺は静かに尋ねた。
「そのとき、何があったんですか?」
グレイが怒鳴った。
「おい! 部外者が口を挟むな!」
俺は彼を見た。
「ここは、うちの店です。お客様同士の口論はお控えください」
「何だと?」
俺は壁を指さした。
『店内での暴力行為は禁止』
『店内での威圧・脅迫行為は禁止』
最後の規則は、先ほど追加したばかりだった。
もちろん、相手を黙らせるためではない。
客が安心して話せる場所にするためだ。
グレイは壁の文字を見て、鼻で笑った。
「くだらん。店の規則が、王国騎士団に通用するとでも?」
「店の中では、通用します」
「何だと?」
グレイは剣の柄に手をかけた。
その瞬間、彼の手がぴたりと止まった。
剣を抜こうとしても、指が動かない。
「な……何だ、これは!」
兵士たちも剣を抜こうとしたが、同じように動きを止められた。
俺はため息をついた。
「ですから、店内での暴力行為は禁止です」
「貴様……何をした!」
「何も。規則を守っていただいているだけです」
「こんなふざけた真似が許されると思うな!」
グレイは怒鳴ったが、剣を抜くことはできなかった。
アリシアは、静かに立ち上がった。
「レオン。ここで話をするのはやめよう」
「いいんですか?」
「ここは、食事をする場所だ。私の過去で汚したくない」
彼女はグレイに向き直った。
「王都へは戻らない。話があるなら、外で聞く」
「……逃げるつもりか?」
「違う。お前たちに、この店で騒ぐ資格はないと言っている」
グレイの顔が赤くなった。
だが、彼は何もできなかった。
俺は扉を開けた。
「皆さん。続きは外でお願いします」
グレイは俺を睨みつけたあと、兵士たちを連れて店を出ていった。
アリシアは、しばらく扉を見つめていた。
そして、ぽつりと言った。
「……すまない。迷惑をかけた」
「いえ。店の中で騒がれるのは困りますが、事情を話すことまで迷惑だとは思いません」
「そうか」
「それに、まだ皿が残っています」
俺は洗い場を指さした。
アリシアは、きょとんとした。
それから、初めて声を出して笑った。
「そうだな。皿を洗わなければ」
◇
夕方。
アリシアは、店の裏で荷物を整理していた。
俺が声をかけると、彼女は手を止めた。
「さっきの話ですが」
「……聞きたいのか?」
「話したくなければ、無理に聞くつもりはありません」
アリシアは、少し考えてから口を開いた。
「私は、命令に背いた」
「はい」
「撤退命令が出たとき、戦場には負傷した敵兵が残っていた。彼らは武器を捨て、戦う意思もなかった」
彼女は、遠くを見るような目をした。
「私は、彼らを置いていけなかった。救助している間に、部隊の移動が遅れた。その結果、予定していた作戦が中止になった」
「……そうだったんですね」
「グレイの言うことは、間違っていない。私の判断で、仲間に危険が及んだ可能性はある」
アリシアは、手を握りしめた。
「だから、私は自分の判断が正しかったと主張するつもりはない」
彼女は、静かに息を吐いた。
「ただ、あのとき、目の前で助けを求めている人間を見捨てることができなかった」
俺は、すぐには答えなかった。
戦場の判断は、外から簡単に評価できるものではない。
一人を救うことで、別の誰かが危険にさらされることもある。
アリシア自身も、そのことを理解しているのだろう。
「……それで、騎士団を辞めたんですか?」
「正確には、辞めさせられた。称号を剥奪され、王都に居場所がなくなった」
「それから、どうしてこの町へ?」
「どこへ行けばいいのか、わからなかった」
彼女は苦笑した。
「戦場では、私は役に立った。剣を振るい、仲間を守り、命令を果たした。だが、剣を振るう場所がなくなったとき、何をすればいいのか、わからなくなった」
その言葉は、静かだった。
「私は、剣しか知らない。だから、せめて誰かの役に立つ仕事を探していた」
俺は、彼女の手を見た。
剣を握り続けてきた手。
たくさんの命を守ったかもしれない手。
そして今は、皿を洗い、荷物を運んでいる手。
「アリシアさん」
「何だ?」
「明日も、手伝ってもらえますか?」
彼女は、驚いたように顔を上げた。
「……私を雇うのか?」
「はい。ただし、仕事は皿洗いと掃除、それから荷物運びです。剣を振るう必要はありません」
「それでいいのか?」
「もちろんです。うちは剣士を募集しているわけじゃありませんから」
俺は笑った。
「仕事をしてくれる人を募集しています」
アリシアは、長い間、黙っていた。
やがて、彼女は深く頭を下げた。
「……ありがとう」
その声は、少しかすれていた。
俺は聞かなかったことにした。
誰かが泣きそうなとき、必ず理由を聞く必要はない。
◇
その夜、店を閉めようとしたとき、扉のベルが鳴った。
カラン。
入ってきたのは、黒い外套を着た男だった。
角を隠すようなフード。
深くかぶった帽子。
そして、見覚えのある低い声。
「まだ、営業しているか?」
「すみません。もう閉店時間ですが……」
俺が言いかけると、男はフードを外した。
「そうか。では、明日また来よう」
その顔を見て、俺は固まった。
魔王ヴァルガだった。
「魔王様!?」
ユリウスが叫んだ。
アリシアが、反射的に腰の剣へ手を伸ばす。
しかし、ヴァルガは両手を上げた。
「待て。今日は客として来た」
「こんな時間に、何の用ですか?」
俺が尋ねると、ヴァルガは真剣な顔で答えた。
「注文の件だ。食料は集まったか?」
俺は、言葉に詰まった。
「……まだです」
「そうか」
ヴァルガは、責めるようなことは言わなかった。
ただ、店内を見回した。
「事情があるのだろう。話を聞かせてもらえるか」
俺は、王国の役所との交渉について説明した。
食料は集まっているが、搬出許可が出ていないこと。
王国商務局の調査官が来ること。
注文期限まで、残りわずかであること。
ヴァルガは黙って聞いていた。
やがて、静かに言った。
「こちらにも、問題がある」
「何かあったんですか?」
「補給路を断たれた部隊が、食料を求めている。私が命じれば、近くの村から奪うこともできるだろう」
ユリウスが、剣の柄を握った。
ヴァルガは彼を見た。
「だが、それは私が望む結果ではない」
「なら、なぜ軍を撤退させない!」
ユリウスが声を荒らげた。
「戦争を続ける限り、同じことが繰り返される!」
「その通りだ」
ヴァルガは、あっさりとうなずいた。
「だからこそ、私は戦争を終わらせる道を探している」
「……何?」
「だが、私一人の意思で、すべての兵士を動かすことはできない。人間側にも、魔族側にも、戦争で利益を得ている者がいる」
ヴァルガは、疲れたように目を閉じた。
「私が命令を出せば、従う者もいる。だが、従わない者もいる。だから、今は時間が必要なのだ」
ユリウスは、何も言えなかった。
俺も、すぐには返事ができなかった。
魔王という存在は、もっと単純なものだと思っていた。
人間を憎み、世界を征服し、戦争を望む存在。
しかし、目の前の男は、戦争を終わらせたいと言っている。
それが本心なのかどうか、俺にはまだわからない。
ただ、彼が食料を求めて店に来たことは事実だ。
「ヴァルガさん」
「何だ?」
「食料の件は、最後まで何とかします。ただし、約束してほしいことがあります」
「聞こう」
「こちらが食料を届けるまで、近くの村を襲わないでください。兵士たちにも、その命令を徹底してほしい」
ヴァルガは、俺を見つめた。
「……約束しよう」
「命令を出しても、従わない兵士がいるかもしれないと言っていましたね」
「ああ」
「なら、その場合は、こちらにも知らせてください。食料を売ることと、村を襲うことは、別の問題です」
ヴァルガは、わずかに笑った。
「商人というのは、厳しいものだな」
「代金をいただく以上、こちらも真剣ですから」
「わかった。命令を出そう」
ヴァルガは、カウンターに銀貨を置いた。
「これは、今日のスープ代だ」
「今日は何も出していませんが」
「明日の分だ。予約というものがあるのだろう?」
俺は思わず笑った。
「ええ。もちろん、あります」
ヴァルガはフードをかぶり直した。
「では、明日も来る」
「お待ちしています」
魔王が帰ったあと、ユリウスは長い間、扉を見つめていた。
アリシアも、何か考え込んでいる。
俺は、カウンターに残された銀貨を帳簿に記録した。
注文期限まで、残りわずか。
王国との交渉も、まだ終わっていない。
それでも、今日一日で、少しだけ変わったことがある。
勇者は、魔王の話を聞いた。
剣聖は、皿を洗う仕事を見つけた。
そして俺は、誰かの居場所を作ることが、商売の一部なのかもしれないと思い始めていた。
「さて」
俺は帳簿を閉じた。
「明日は、王国商務局の調査官と面談だ」
ユリウスが、深いため息をつく。
「……今度こそ、普通の商談で済んでくれ」
アリシアが、静かに笑った。
「それは無理だろうな」
「どうしてですか?」
「お前たち二人がいるからだ」
「俺まで!?」
ユリウスの抗議が、閉店後の店内に響いた。
俺は、久しぶりに心から笑った。
この店には、まだ何もない。
大きな資金も、立派な建物も、強い仲間も、十分な食料も。
けれど、少しずつ人が集まってきている。
それだけは、確かだった。




