纏物語

　日ノ本を恐怖に陥れようとした蛇鬼との戦いから幾拾年が過ぎた。　　
　
　蛇鬼を祓い、日ノ本を救った東城舞美の孫娘、青井優。

　熊本県人吉市に住み、地元の商業高校に通う剣道部所属のごく普通の高校1年生女子である。

　古の神守、東城家の血を受け継ぐ優には生まれ出で、物心ついた頃から怪しき者が見える力が備わっていた。

　しかしその事を相談できるのは、祖母の舞美、唯一人だった。

　そんな優がよく見ていた夢……いや、現実だったのかもしれない……それは、怪しき者から足を掴まれ、暗闇に引きずり込まれそうになる夢だった。

　怖くて声も出せない幼い優、しかしその度に、助けに来てくれていた女性……その女性は、身体全体から青白い光を発し、白い着物のような物を纏っている。

　長く銀色に輝く髪は、部屋の中なのに風に靡いている。刀を持った右腕には、肩から手のひらに掛けて青い蛇が巻き付いていた。

　その女性が、刀を一振すると恐ろしい者は、悲鳴を上げ逃げ出していた。

　そして時が経ち、ある日を境に怪しき者が全く現れなくなっていた。

　しかし高校一年生のある日、突然、橋の欄干に多くの怪しき者が見えた。

優が見え始めたそのタイミングで、東城舞美が優の住む人吉市に訪ねて来る。

　新たな敵、天狗が現れ舞美は、『青き月の力』を纏い迎え撃つ。圧倒的な力でた事で『青き鬼の力』を受け継ぐものとして覚醒した優は、その圧倒的な力で天狗を撃破した。

　しかし天狗が語っていた「清き力」を奪おうとする『あの方達』とはいったい誰なのか。真の黒幕はいったい誰なのか。

　そして新たな主人公、青井優はいったい何と闘い何を祓うのか。